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【第1回】近未来①「シルバーさん依存の建物管理現場の瓦解」

※まずはこちらをご覧ください
【はじめに】 https://teikijunkai.com/18358

近未来①「シルバーさん依存の建物管理現場の瓦解危機」

お気づきのことと思いますが、マンション管理や建物管理の現場ではシルバーさんと言われる65歳以上の方々が多く働いてらっしゃいます。

ビルメンテナンス業では、「65 歳定年制」の導入率は約 25%となっており、高齢者雇用のリーディング産業といえます。

また、継続して働ける上限年齢を 65 歳以上とする企業が実に 94%(70 歳以上は 16%)を占めていることからも、健康・体力が続くかぎり生涯現役をサポートしてきたのがビルメンテナンス業の実像ではないでしょうか。

「これ、本当にまずいんじゃないの?」

最初に「これ、本当にまずいんじゃないの?」と思ったきっかけは、コロナ対策・封鎖時の事業継続性計画を作成していた際に海外の封鎖事例を見ていて気づいた点です。

「高齢者が自宅隔離4カ月」「すべてのアメリカ人高齢者には自宅待機を推奨」などの方針が各国で打ち出されています。高齢者が重篤化リスクが高いという症例から当然と言えば当然なのですが、日本では年齢層を限定した自粛イメージが薄かったため、実際に「封鎖」を実施している国の事例を見ていくと、こうした具体策の可能性が現実味を帯びてきます。

例)米国 コロナ対策ガイドライン すべてのアメリカ人高齢者には自宅待機を推奨
    CDC公式ガイドライン
https://emergency.cdc.gov/han/2020/han00429.asp
例)イギリス 70歳以上
  参考:https://www.bbc.com/japanese/51903249
例)米国カリフォルニア州 65歳以上
  参考:https://mainichi.jp/articles/20200316/k00/00m/030/065000c

日本の建物管理(一般清掃)現場の高齢化率は60-70%

では仮に日本でも「封鎖」が実施され、施策の一つとして「高齢者(65歳以上)が自宅待機推奨」となった場合、建物管理の現場にはどのような影響があるのか、シミュレーションしてみます。

 初期条件:
  基本データ 全国ビルメンテナンス協会『ビルメンテナンス情報年鑑2020
        全国シルバー人材センター 『シルバー人材センター事業の概要2019
        厚労省『高齢者雇用促進への政府の取組み 報告書』
        総務省『サービス産業動向調査 平成26年度』
注)ビルメン協会/シルバー人材以外に一般清掃においては多くの中小零細事業者が存在するが、統計対象にないため今回は上記データをベースとして試算する

 まず、『ビルメンテナンス情報年鑑2020』を見ると、
  会員企業の従業員数 350,000人(2019年)
   うち パートタイマー220,000人(2019年)
   うち 常勤従業員   130,000人(2019年)

   常勤従業員のうち高齢者の割合は35%。
   パートタイマーのうち高齢者の割合は70%(ヒアリングに基づく推計値)。

   会員企業の売上割合の80%が一般清掃業務。
   一般清掃業務では、常勤従業員20%、パートタイマー80%の比率となっている。

  ここから一般清掃業務における高齢化率を試算すると、
   常勤従業員     45,500人
   パートタイマー  154,000人 
   合計       199,500人

  従って、高齢化率は199,500÷350,000=57%になる。

ビルメンテナンス情報年鑑2020より抜粋

 次に、『シルバー人材センター事業の概要2019』『高齢者雇用促進への政府の取組み 報告書』を見ると、
  シルバー人材センターの登録者は71万4千人。
  平均年齢は男性73.3歳、女性72.6歳、全体では73.0歳。

  シルバー人材センターの就業分野を見ていくと「一般清掃」がダントツで多く、なんと76%が建物管理関連業務になっています。

    一般作業群55%
     清掃、除草等
    管理群 21%
     ビル管理、駐輪場管理

  ここから一般清掃業務における従業者数を試算すると、
   714,000×0.76=542,640人
  シルバー人材センター登録者の92%が65歳以上なので、高齢者(65歳以上)の従業者数は、
   542,640×0.92=499,228人

  一般清掃従事者における高齢者数は、
   ビルメン協会会員企業の高齢者199,500人
   シルバー人材センター499,228人
   合計               698,728人

最後に、建物管理サービス業(うち一般清掃)の就業者数を全国統計で見てみたいと思います。
総務省『サービス産業動向調査 平成26年度』によると、産業統計としては、建物管理サービスは、<サービス業(他に分類されないもの)> の「建物サービス業」に該当します。
就業人口は 1,006,600人です。福祉・介護事業と就業人口はほぼ同等です。

以上から、

 就業人口    1,006,600人 ※建物サービス業
  うち高齢者数  698,728人 

となり、推計で約70%が建物管理・一般清掃における高齢者率と粗い試算ができます。 

この段階でも「封鎖」により仮に「高齢者の自宅待機推奨」が行われた場合、

約70万人が建物管理の現場から消えてしまうという建物管理現場の瓦解リスクがあるわけです。

最初は「まずいんじゃないか?」で試算をはじめましたが、実際にデータを見ると「本当にまずい」です。

ここまで試算したデータは、もちろん網羅性はなく統計数値間の補正もおこなっていない、大変粗い推計に過ぎません。ただ多くのみなさんが感じている実感値としての「マンション管理、建物管理の現場にシルバーさんが多い」という印象と大きく相違しているものではありません。

「建物管理の現場にシルバーさんがいないモデル」を

コロナは一時の自粛・封鎖により収まるものではなく、間歇(繰り返し)的に自粛と緩和が繰り返されることが見込まれること。ワクチンの提供までは早くとも1年半はかかること。などをを考えると、「マンション管理、建物管理の現場にシルバーさんがいないモデル」を考える必要があるのではないでしょうか?

こうしたコロナショックがもたらす影響範囲は建物管理に限らず、不動産賃貸管理業務全般に渡ります。ご高齢の多いオーナー様とどうやってオーナー業務を行うのか?オーナー開拓営業をどうするのか?管理会社内におけるテレワークの推進をどうすればいいのか?などなど。

しかしながら、都合の良い回答がすぐに見つかるわけでもありません。

ビルメンテナンス情報年鑑2020より抜粋

2030年からバックキャストした近未来(2020/21)像

※バックキャスト:「未来」を起点として、そこから逆算して「今」何をすべきかを考えること

本稿では不動産管理/建物管理業務モデルの完全クラウド化という将来像を10年後の2030年と構想した上で、バックキャストし、2020年/2021年に取り組むべき現実的なアプローチ(近未来像)について整理していきます。 

建物管理・賃貸管理に関わる皆さまにご参考になれば幸いです。
また、ご意見・フィードバックもお待ちしております。


緊急連載:建物管理を取り巻く環境とコロナショックによる近未来
【目次】
【第1回】 近未来①「シルバーさん依存の建物管理現場の瓦解」
【第2回】 近未来②「オーナー業務の転換(1):AssetApps 賃貸管理業務の徹底クラウド化」 
【第3回】 近未来③「オーナー業務の転換(2):AssetApps チームチャット、リアルタイムUX」
【第4回】 近未来④「建物管理業務の転換(1):withBMクラウド 建物管理業務の徹底クラウド化」
【第5回】 近未来⑤「建物管理業務の転換(2):withBMクラウド 社会的リソースシフト策へ」

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