近藤:
今回のテーマは「緊急駆け付け時のチェックポイント」です。
BMプライムで取り組んでいる緊急駆け付けサービスにおける、駆け付け時のチェックポイントに焦点を当て、アセットコミュニケーションズのグループ会社である株式会社BMプライム 代表取締役の宇山さんにお話を伺えればと思います。
BMプライムならではの特徴と、現場にトラブルで駆け付けた際にビルメンテナンスのプロとしてどのような視点を持ってチェックしているのかを具体的に紹介いたします。
BMプライム設立のプレスリリースはこちら▼
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000097182.html
緊急駆け付け:水関係
近藤:
緊急駆け付けの主な項目は、水関係・電気関係・消防・その他、となるかと思います。
またそれに加えて、専有部の設備不良についても挙げられます。
まずは水関係からお話を伺えればと思います。
BMプライムの駆け付け対応内容には
- 水うけの設置
- 配管の簡易的補修
- ポンプ制御盤の確認
- リセット復旧
がありますが、BMプライムならではの特徴や関連する事例はありますか?
宇山:
BMプライムではビルの管理もしています。
そのノウハウを用いて、現地に行った際には原因の特定と解決策の提示を徹底しています。
その場で原因がわからない、次にどう対応するべきかわからないといった状況がないようにしています。
今の所、駆け付けた時にどこが原因だったかわからなかったということはありません。
例えば、水漏れの場合には漏れ箇所の特定をし、特定した後に手を加えることで修復可能であれば専門業者を手配して直ちに復旧作業を実施します。
何か工事をしないとすぐに復旧できない場合は、部品の手配が必要になり当日中に作業が行えないケースもあります。その際は、復旧作業ではなく被害を最小限に抑える対応にシフトします。
近藤:
水回りの駆け付けサービスを行うフランチャイズのような業者との一番の違いはなんでしょうか?
宇山:
インターネットで出てくるフランチャイズ業者では、
- 図面がないとわからない
- 専用部で起きてることに対して共用部に影響を及ぼしているようなのでわからない
というように、原因を「わからない」と回答されるケースが多くあります。
BMプライムでは「原因がわからない」という回答は基本的にしません。
例えばポンプが壊れていてメーカーから取り寄せなければならないなど、工事に必要な部品や物の手配のために物理的に当日の工事ができないと伝えることはありますが、原因を特定した上で次のステップを提示します。
オーナー様や管理会社様に原因と対策が提示できるということがBMプライムの特徴であり強みです。
近藤:
オーナー様や管理会社様に安心してお任せいただけるということですね。
宇山:
そうですね。BMプライムにご連絡いただければ、事象に対する回答・可能な場合は復旧工事、もしくは被害を最小限に抑える一次対応を行ってまいりますので、非常に安心感を持ってお任せいただけると思います。
近藤:
配管の簡易的補修とは、具体的にはどこまでやってくれるのですか?
宇山:
例えば、給湯器の給水管の破損による水漏れが発生し給湯器も使えない場合ですと、お風呂も入れません。
給水管はポリエチレン管という素材で特殊な機材ではなく、ホームセンターに売っているような手に入りやすい素材ですので、BMプライムでの復旧工事が可能です。
近藤:
従来の駆け付けサービスですと一次駆け付けをし、あとで専門業者にて見積もりを行うというような形が多いかと思います。
一方、BMプライムでは最初のアクションから課題解決と少し踏み込んだ補修までをその場でやり切ることができるんですね。
このような対応ができるビル管理のノウハウと経験を持っているというところが安心できるサービスだと言えますね。
水関係での駆け付け時に、聞き取りの際やチェック時に気を付けているポイントはどのような部分でしょうか?
宇山:
一番にお客様の費用面を考慮して対応策を提示しています。
電話でのヒアリング時に水がドバーッと漏れている状況ですと弊社では対応できないため、専門業者が対応することになります。
弊社で対応ができない場合であっても現地への一次駆け付けを行うとなると一次対応の駆け付けで費用がかかり、専門業者の二次対応においても費用がかかってしまうんですね。
専門業者でしか対応できないとわかっているのであれば、専門業者だけが現地に行くことで余分な費用を抑えることができます。
その判断を行うために、お客様との電話でのヒアリングやスマホ等で水漏れの状況の写真や動画を撮って見せてもらうことで現状を詳細に把握するようにしています。
例えば、排水管は止水テープや固着するパテであれば弊社で対応できるのですが、水の勢いが強いものに関してはこれらの対応が難しくなり専門業者への依頼が必要になります。
ヒアリングの際に現場の状況を的確に把握した上で、お客様には余計な費用がかからないようご提案をしています。
近藤:
ヒアリング時の現状把握から設備のプロが状況判断を的確に行うことで、コストを抑えながら必要な対処をより迅速に行えるということですね。
「とりあえず駆けつければいい」ではなく、お客様に寄り添った迅速な対応が特長と言えますね。
水回りのトラブルでは、共用部の問題なのか専有部の問題なのかといった部分があるかと思うのですが、そのあたりはどのような判断をしているのでしょうか?
宇山:
BMプライムではビルの管理も行っているので、どこに問題が起きているかを判断するノウハウがあります。
専有部内の横方向に伸びる配管が詰まって漏水を起こしてしまったのか、建物の縦方向の配管で詰まっていることによって漏水が起きているのかの原因の特定には、BMプライムの協力会社と一緒にカメラを使った現地確認を行っています。
一般的に、縦配管の詰まりが原因であればオーナー様の費用負担となりますし、横配管の詰まりが原因となっていれば入居者や店舗の方に費用負担が発生することになります。
このような原因の特定により、どちらの費用負担になるのかを常に確認するようにしています。
近藤:
原因が明確でないと費用負担の割合について明確にならないので、共用部と専有部の給排水管の分岐の捉え方にもしっかり取り組んでいるということですね。
緊急駆け付け:電気関係
近藤:
電気関係では、どのような駆け付けの事案が多いでしょうか?またトラブル時の対応について教えてください。
宇山:
私の経験上、建物の電気が全部消えてしまっているというのは特殊な事案かと思います。
電気が一部つかない、消えているところがあるといったケースが多く、その場合は専用部内のブレーカーのなかで何か不具合が起きていることがほとんどです。
対応としては、ブレーカーの中のどこの島のブレーカーが影響を受けているのかを、ひとつひとつブレーカーを上げ下げして確認していきます。
また、ブレーカーが落ちてしまう原因で多いのは以下です。
- タコ足配線で容量オーバー
- コンセントに埃がかぶっている
- 家庭用のブレーカーとは異なり、テナントのブレーカーは落ちているのかわかりにくい(ぐらついているのが落ちている状況、ぐらついていないのが落ちていない状況)
このあたりであればBMプライム担当者での現地対応で復旧が可能です。
そのため、専門業者を呼ぶ前にBMプライムでの現地対応が復旧できるかどうかをしっかりと確認しています。
近藤:
警備保障会社がやる対応の範囲とBMプライムの対応の範囲や連携の違いはなんでしょうか?
宇山:
警備保障会社さんはマニュアルがあってそれに沿って対応します。
例えばマンションで火災受信機が鳴った場合、警備保障会さんはその信号を受信し駆け付けます。そして、マニュアルに則り外観目視点検(本当に火事かどうかを確認)を行い、火災報知器が鳴っている階の各部屋をチャイムを鳴らし訪問して確認します。特に問題がないことを確認できたら、管理室の大元の復旧ボタンを押します。復旧ボタンを押したものの復旧ができなかったとしても、警備保障会社さんの対応範囲はここまでとなります。ブザーが鳴りやまないのがうるさいため、ブザー停止ボタンを押してその場は完了となります。
BMプライムの場合は、警備保障会社さんと同じような確認はもちろんのこと、専門業者さんとの連携をとりながら、断線の簡易的な点検等の少し突っ込んだ範囲まで対応しています。
近藤:
電気関係においても水関係と同じように答えを出していくことで、オーナー様や管理会社様に対し、「次に誰がどうアクションしていくか」を提示する・答えを出すということが大きなポイントということですね。
緊急駆け付け:消防・警報設備・その他
近藤:
消防・警報設備・その他の分野について、駆け付けの内容やチェックポイントを教えてください。
宇山:
事象が起きた時に、駆け付け点検の上で不具合は工事をして復旧完了するのがゴールです。
そのゴールのためには、「わからない」部分をなくして答えを出す必要があるので、現場の確認を徹底しています。
当日に工事ができない場合であっても、どんな工事をするべきかを提示するところまで行います。
近藤:
BMプライムの駆け付けの事象一つをとっても、事象をとりあえず解決するというような目先の視点にとどまらず、建物全体をどう管理していくのかをオーナー様や管理会社様のビルマネジメントを行う観点で常に答えを提示しているといった点が、従来の駆け付けサービスとBMプライムの異なるポイントですよね。
この点は、費用負担を含めより良い建物管理を行う上で非常に重要だと思います。
ただの駆け付けではない、ビルマネジメントの観点で対応
近藤:
BMプライムでは、常に建物をよりよく管理していくためにはどうしていくのが良いかを考え、提示しています。ビルマネジメントの目線を持っている点が従来のサービスとの大きな違いなのかなと感じています。
宇山:
弊社は、「緊急駆け付けをするだけでなく建物をマネジメントする」といった基本スタンスを持っています。
問題を解消するだけでなく、ビルマネジメントの観点から費用を誰が支払うのかの追求までを行います。このような点が警備保証会社との差別化できるポイントですね。
近藤:
類似のサービスがあるようでなかった非常に大事な視点ですね。
そのほかに緊急駆け付けの観点で取り組んでいるものや直近の事例はありますか?
宇山:
建物に付随するものにはなんでも対応できます。
アパートの敷地内に猫が多く糞に困っているというのであれば猫よけを設置しますし、ビルであれば高圧の電気の点検などの難易度の高い作業があったりと、その依頼は様々です。
BMプライムはビルマネジメントの観点で動いているので、うちではできません・わかりませんとならないよう、建物に関することはなんでも対応できるよう取り組んでいます。