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適格請求書等保存方式の概要

  • 令和5年 10 月1日から導入される「適格請求書等保存方式」の概要を教えてください。

    複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、令和5年 10 月1日から「適格請求書等保存方式」(いわゆる「インボイス制度」)が導入されます(新消法 30、57 の2、57 の4)。

    1 適格請求書発行事業者の登録制度
    適格請求書等保存方式においては、仕入税額控除の要件として、原則、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書の保存が必要になります。
    適格請求書を交付しようとする課税事業者は、納税地を所轄する税務署長に適格請求書発行事業者の登録申請書(以下「登録申請書」といいます。)を提出し、適格請求書発行事業者として登録を受ける必要があり、税務署長は、氏名又は名称及び登録番号等を適格請求書発行事業者登録簿に登載し、登録を行います(新消法 57 の2①②④)。登録申請書は、e-Tax を利用して提出できますので、ぜひご利用ください(個人事業者はスマートフォンでも手続が可能となります。)。なお、郵送等により提出する場合の送付先は、各国税局(沖縄国税事務所を含みます。以下同じです。)のインボイス登録センターとなります。

    また、相手方から交付を受けた請求書等が適格請求書に該当することを客観的に確認できるよう、適格請求書発行事業者の情報については、国税庁ホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年 10 月運用開始予定)において公表されます。
    (注) 適格請求書とは、次の事項が記載された書類(請求書、納品書、領収書、レシート等)をいいます(新消法 57 の4①)。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等(消費税額及び地方消費税額に相当する金額の合計額をいいます。以下同じ。)
    ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    2 適格請求書の交付義務等
    適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から適格請求書の交付を求められたときは適格請求書の交付義務が課されています(新消法 57 の4①)。ただし、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難な次の取引については、適格請求書の交付義務が免除されます(新消法 57 の4①、新消令 70 の9②、新消規 26 の6)。

適格請求書発行事業者の登録制度

  • 適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。

    適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者(登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます。)は、納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります(新消法 57 の2②、インボイス通達2-1)。
    登録申請書は、適格請求書等保存方式の導入の2年前である令和3年 10 月1日から提出することができます(28 年改正法附則1八、44①)。登録申請書は、e-Tax を利用して提出できますので、ぜひご利用ください(個人事業者はスマートフォンでも手続が可能となります。)。なお、郵送等により登録申請書を提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。
    登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を通知することとされています(新消法 57 の2③④⑤⑦)。
    また、適格請求書発行事業者の情報は、国税庁ホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年 10 月運用開始予定)において公表されます。
    なお、免税事業者が登録を受ける場合の手続については、《免税事業者が令和5年 10 月1日の属する課税期間中に登録を受ける場合の取扱いについて教えてください。また、この場合、いつから課税事業者となりますか。》をご参照ください。
    (参考1)「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年 10 月運用開始予定)で公表される事項は次のとおりです。
    ⑴ 法定の公表事項(新消法 57 の2④⑪、新消令 70 の5①)
    ① 適格請求書発行事業者の氏名(※)又は名称
    ② 法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地                                 ③ 特定国外事業者(国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを国内に有しない国外事業者をいいます。以下同じです。)以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地
    ④ 登録番号
    ⑤ 登録年月日
    ⑥ 登録取消年月日、登録失効年月日
    (※)個人事業者の氏名について、「住民票に併記されている外国人の通称」又は「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を氏名として公表することを希望する場合又はこれらを氏名と併記して公表することを希望する場合は、登録申請書と併せて、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。
    ⑵ 本人の申出に基づき追加で公表できる事項
    次の①、②の事項について公表することを希望する場合には、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。
    ① 個人事業者の「主たる屋号」、「主たる事務所の所在地等」
    ② 人格のない社団等の「本店又は主たる事務所の所在地」
    (参考2)e-Tax を利用した登録申請手続及び各国税局のインボイス登録センターの所在地については、国税庁ホームページ「インボイス制度特設サイト」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm)をご参照ください。

  • 適格請求書発行事業者の登録は、どのような方法で通知されますか。

    適格請求書発行事業者の登録の通知については、登録申請書を e-Tax により提出して、登録通知について電子での通知を希望した場合は、メッセージボックスに登録番号等が記載された登録通知書がデータで格納され、その他の場合は、書面にて登録番号等が記載された登録通知書が送付されます。
    電子での通知は、
    ・税務署での処理後、速やかに電子通知が行われるため、書面より早期に登録通知書を受領することができ、
    ・メッセージボックス内にデータ保管されるため、登録通知書の紛失のおそれがなく、
    ・メールに登録通知のデータを添付して、取引先等に連絡することができますので、
    ぜひご利用ください。

  • 登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでにどの程度の期間がかかりますか。

    登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでの期間については、提出された登録申請書の件数や個々の審査等に要する期間によって異なり、一律に回答することは難しいですが、書面で提出された登録申請書については1か月程度、e-Tax で提出された登録申請書については2週間程度の期間が見込まれます。
    なお、一時期に多量に登録申請書が提出されるなど、処理期間に影響がある場合には、その旨を国税庁ホームページ等で周知していくことを予定しています。

  • 適格請求書発行事業者の登録の効力は、いつから発生するのですか。

    登録申請書の提出を受けた税務署長は、登録拒否要件に該当しない場合には、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載して登録を行い、登録を受けた事業者に対して、その旨を通知することとされています(新消法 57 の2③④⑤⑦)。
    登録の効力は、通知の日にかかわらず、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(以下「登録日」といいます。)から生じます。このため、登録日以降の取引については、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じ、適格請求書を交付する義務があります(インボイス通達2-4)。
    なお、登録日から登録の通知を受けるまでの間の取扱いについては、《適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者に対しては、その旨が書面で通知されるそうですが、登録日から通知を受けるまでの間の取引については、既に請求書(区分記載請求書等の記載事項である「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」を記載しており、「税率ごとに区分した消費税額等」の記載はありません。)を交付しています。改めて、適格請求書の記載事項を満たした書類を交付しなければいけませんか。》をご参照ください。
    (参考) 令和5年 10 月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年 10 月1日に生じることとなります。

  • 課税事業者は、課税期間の途中であっても、適格請求書発行事業者の登録を受けることができますか。

    課税事業者は、課税期間の途中であっても、登録申請書を提出し、登録を受けることができます。登録申請書を提出し登録を受けた場合、登録の効力は、登録日から生じます。
    なお、新設法人等の登録時期の特例については、《新設法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることはできますか。》をご参照ください。
    (参考)令和5年 10 月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年 10 月1日から生じることとなります。

  • 登録申請書の提出は、令和3年10 月1日から行うことができるとのことですが、適格請求書等保存方式が導入される令和5年10 月1日から登録を受けるためには、いつまでに登録申請書を提出すればよいですか。

    適格請求書等保存方式が導入される令和5年 10 月1日から登録を受けようとする事業者は、令和5年3月 31 日まで(注)に納税地を所轄する税務署長に登録申請書を提出する必要があります(28 年改正法附則 44①)。登録申請書は、e-Tax を利用して提出できますので、ぜひご利用ください(個人事業者はスマートフォンでも手続が可能となります。)。なお、郵送等により登録申請書を提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。インボイス登録センターの所在地は《適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。》をご参照ください。
    なお、免税事業者が登録を受けるためには、原則として、消費税課税事業者選択届出書(以下「課税選択届出書」といいます。)を提出し、課税事業者となる必要がありますが、登録日が令和5年 10 月1日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、登録を受けることができます(28 年改正法附則 44④、インボイス通達5-1)。
    (注) 令和5年3月 31 日まで(※)に登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情がある場合に、令和5年9月 30 日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、令和5年 10 月1日に登録を受けたこととみなされます(改正令附則 15)。
    なお、「困難な事情」については、その困難の度合いは問いません(インボイス通達5-2)。
    ※ 特定期間の課税売上高又は給与等支払額の合計額が 1,000 万円を超えたことにより課税事業者となる場合(消法9の2①)は令和5年6月 30 日まで

  • 免税事業者が令和5年10 月1日の属する課税期間中に登録を受ける場合の取扱いについて教えてください。また、この場合、いつから課税事業者となりますか。

    免税事業者が令和5年 10 月1日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録日(令和5年 10 月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年 10 月1日から生じることとなります。)から課税事業者となる経過措置が設けられています(28 年改正法附則 44④、インボイス通達5-1)。
    したがって、この経過措置の適用を受けることとなる場合は、登録日から課税事業者となり、登録を受けるに当たり、課税選択届出書を提出する必要はありません。
    なお、経過措置の適用を受けて適格請求書発行事業者の登録を受けた場合、登録日から課税事業者となり、基準期間の課税売上高にかかわらず、登録日から課税期間の末日までの期間について、消費税の申告が必要となります。
    (注) この経過措置の適用を受けない課税期間に登録を受ける場合については、原則どおり、課税選択届出書を提出し、課税事業者となる必要があります。
    なお、免税事業者が課税事業者となることを選択した課税期間の初日から登録を受けようとする場合は、その課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに、登録申請書を提出しなければなりません(新消法 57 の2②、新消令 70 の2)。

  • 個人事業者が、令和5年10 月 1 日から適格請求書発行事業者の登録を受ける場合における、令和5年1月1日から令和5年 12 月 31 日までの課税期間(令和5年分)の消費税の申告について具体的に教えてください。

    1 令和5年分について免税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合(登録に際して令和5年分を適用開始課税期間とする課税選択届出書を提出した場合を除きます。)
    令和5年分について免税事業者である個人事業者が令和5年 10 月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けた場合(令和5年 10 月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年 10 月1日から生じることとなります。)には、登録日である令和5年 10 月1日以降は課税事業者となりますので、令和5年 10 月1日から令和5年 12 月 31 日までの期間に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて、令和5年分の消費税の申告が必要となります。

    2 令和5年分について課税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合(登録に際して令和5年分を適用開始課税期間とする課税選択届出書を提出した場合を含みます。)
    令和5年分について課税事業者である個人事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けた場合、適格請求書発行事業者の登録日は令和5年 10 月1日となりますが、その課税期間(令和5年1月1日から令和5年 12 月 31 日まで)中に行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについて、令和5年分の消費税の申告が必要となります。(参考1)令和4年1月1日から令和4年 12 月 31 日までの課税期間(令和4年分)について免税事業者である個人事業者が令和4年中に登録の通知を受けたとしても、適格請求書発行事業者の登録日は令和5年 10 月1日となりますので、令和4年分の消費税の申告は必要ありません。
    (参考2)令和5年 10 月1日から登録を受けることとなった場合において、登録日の前日である令和5年9月 30 日に免税事業者であった期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産や保税地域からの引き取りに係る課税貨物で棚卸資産に該当するものを有しているときは、当該棚卸資産又は課税貨物に係る消費税額について仕入税額控除の適用を受けることができます(改正令附則 17 条)。

  • 免税事業者が令和5年 10 月1日の属する課税期間中に登録を受ける場合には、登録を受けた日から課税事業者になるとのことですが、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができますか。

    免税事業者が令和5年 10 月1日の属する課税期間中に登録を受けることとなった場合には、登録日(令和5年 10 月1日より前に登録の通知を受けた場合であっても、登録の効力は登録日である令和5年 10 月1日から生じます。)から課税事業者となる経過措置が設けられています(28 年改正法附則 44④、インボイス通達5-1)。
    この経過措置の適用を受ける事業者が、登録日の属する課税期間中にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を、納税地を所轄する税務署長に提出した場合には、その課税期間の初日の前日に消費税簡易課税制度選択届出書を提出したものとみなされます(改正令附則 18)。
    したがって、ご質問の場合、令和5年 10 月1日の属する課税期間中にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することにより、その課税期間から、簡易課税制度の適用を受けることができます。

  • 当社は、軽減税率対象品目の販売を行っていませんが、適格請求書発行事業者の登録を必ず受けなければなりませんか。

    適格請求書を交付できるのは、登録を受けた適格請求書発行事業者に限られますが、適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは事業者の任意です(新消法 57 の2①、57 の4①)。
    ただし、登録を受けなければ、適格請求書を交付することができないため、取引先が仕入税額控除を行うことができませんので、このような点を踏まえ、登録の必要性をご検討ください。
    また、適格請求書発行事業者は、販売する商品に軽減税率対象品目があるかどうかを問わず、取引の相手方(課税事業者に限ります。)から交付を求められたときには、適格請求書を交付しなければなりません。
    一方で、消費者や免税事業者など、課税事業者以外の者に対する交付義務はありませんので、例えば、顧客が消費者のみの場合には、必ずしも適格請求書を交付する必要はありません。このような点も踏まえ、登録の必要性をご検討ください。

  • 新設法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることはできますか。

    適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます(新消法57 の2①)。
    免税事業者である新設法人の場合、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、課税選択届出書を提出すれば、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から課税事業者となることができます(消法9④、消令 20 一)。
    また、新設法人が、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出した場合において、税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたときは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます(以下「新設法人等の登録時期の特例」といいます。)(新消令 70 の4、新消規 26 の4、インボイス通達2-2)。
    したがって、免税事業者である新設法人が事業開始(設立)時から、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、設立後、その課税期間の末日までに、課税選択届出書と登録申請書を併せて提出することが必要です。
    なお、課税事業者である新設法人の場合については、事業を開始した課税期間の末日までに、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を提出することで、新設法人等の登録時期の特例の適用を受けることができます。
    (参考)新設合併、新設分割、個人事業者の新規開業等の場合も同様です。また、個人事業者が法人を設立して事業を開始する場合(引き続き個人事業者として事業を継続する場合を除きます。)は、新設法人としての手続に加えて、個人事業者としての廃業の手続(「事業廃止届出書」の提出)が必要となります。

  • 適格請求書発行事業者の登録を申請した場合に、登録を拒否される場合はありますか。

    登録を受けようとする事業者が、消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者でなければ、原則として、登録を拒否されることはありません(新消法 57 の2⑤)。
    (注)例えば、法人が消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた場合において、当該法人の代表者が法人とともに罰金以上の刑に処せられたときは、その執行が終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しなければ、代表者は個人事業者としての登録も受けることができません。

  • 当社は3月決算法人であり、令和5年 10 月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けていましたが、令和8年4月1日から適格請求書発行事業者の登録を取りやめたいと考えています。この場合、どのような手続が必要ですか。

    適格請求書発行事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」(以下「登録取消届出書」といいます。)を提出することにより、適格請求書発行事業者の登録の効力を失わせることができます(新消法 57 の2⑩一)。
    なお、この場合、原則として、登録取消届出書の提出があった日の属する課税期間の翌課税期間の初日に登録の効力が失われることとなります(新消法 57 の2⑩一)。
    ただし、登録取消届出書を、その提出のあった日の属する課税期間の末日から起算して 30 日前の日から、その課税期間の末日までの間に提出した場合は、その提出があった日の属する課税期間の翌々課税期間の初日に登録の効力が失われることとなります。
    したがって、ご質問の場合については、令和8年3月1日までに登録取消届出書を提出する必要があります。

    (参考)課税選択届出書を提出している事業者の場合、適格請求書発行事業者の登録の効力が失われた後の課税期間について、基準期間の課税売上高が 1,000 万円以下であるなどの理由により事業者免税点制度の適用を受ける(免税事業者となる)ためには、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する必要があります。
    例えば、上記例1の場合(課税選択届出書を提出している法人の場合)、令和8年3月期について事業者免税点制度の適用を受けるためには、登録取消届出書を提出した令和7年2月1日から令和7年3月 31 日までの間に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出する必要があります。

  • 事業の廃止や法人の合併による消滅があった場合の手続について教えてください。

    消費税法上、事業者が事業を廃止した場合は「事業廃止届出書」を、合併による消滅の事実があった場合は「合併による法人の消滅届出書」を、納税地を所轄する税務署長に提出する義務があります(消法 57①三、五)。
    なお、「事業廃止届出書」を提出した場合は、事業を廃止した日に、「合併による法人の消滅届出書」を提出した場合は、法人が合併により消滅した日に適格請求書発行事業者の登録の効力が失われます(新消法 57 の2⑩、インボイス通達2-7、2-8)。
    (注)これらの届出書を提出していない場合であっても、税務署長は、事業を廃止したと認められる場合、合併により消滅したと認められる場合に適格請求書発行事業者の登録を取り消すことができます(新消法 57 の2⑥)。

  • 適格請求書発行事業者の登録を受けていた親から相続を受け、事業を承継したのですが、 適格請求書等保存方式において必要となる手続及び適格請求書発行事業者の登録の効力について教えてください。

    1 令和5年 10 月1日より前に死亡した場合
    令和5年 10 月1日から登録を受けることとされていた事業者が、令和5年 10 月1日より前に死亡した場合は、登録の効力は生じません。したがって、相続により事業を承継した相続人が、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書を提出する必要があります(相続人が既に登録申請書を提出していた場合を除きます。)。
    令和5年 10 月1日から登録を受けようとする場合は、原則として、令和5年3月 31 日までに登録申請書を提出する必要がありますが、令和5年3月 31 日までに登録申請書を提出できなかったことにつき困難な事情がある場合に、令和5年9月 30 日までの間に登録申請書にその困難な事情を記載して提出し、税務署長により適格請求書発行事業者の登録を受けたときは、令和5年 10 月1日に登録を受けたこととみなされる措置が設けられています(改正令附則 15)。相続による事業承継は、この困難な事情に該当しますので、令和 5 年 9 月 30日までに登録申請書を提出していただければ、令和5年 10 月1日から登録を受けることができます。
    なお、登録申請を行った事業者が死亡した場合は、相続人は、「個人事業者の死亡届出書」を提出いただきますようお願いします。

    2 令和5年 10 月1日以後に死亡した場合令和5年 10 月1日以後に適格請求書発行事業者が死亡した場合、その相続人は「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出する必要があり、届出書の提出日の翌日又は死亡した日の翌日から4月を経過した日のいずれか早い日(※)に登録の効力が失われます。また、相続により事業を承継した相続人が、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、相続人は登録申請書の提出が必要となります(相続人が既に登録を受けていた場合を除きます。)。
    なお、相続により適格請求書発行事業者の事業を継承した相続人の相続のあった日の翌日から、その相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日又はその相続に係る適格請求書発行事業者が死亡した日の翌日から4月を経過する日のいずれか早い日までの期間については、相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置(※)が設けられており、この場合、被相続人の登録番号を相続人の登録番号とみなすこととされています。
    登録申請書の提出から登録通知を受けるまでには、その審査等に一定の期間を要しますので、相続により事業を承継した相続人が適格請求書発行事業者の登録を受ける場合は、お早めに登録申請書をご提出ください。
    (※)相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置の適用がある場合、その措置の適用がある期間は被相続人の登録は有効です。

  • 適格請求書発行事業者の登録が取り消される場合はありますか。

    税務署長は、次の場合に適格請求書発行事業者の登録を取り消すことができます(新消法 57の2⑥)。
    ① 1年以上所在不明であること
    ② 事業を廃止したと認められること
    ③ 合併により消滅したと認められること
    ④ 消費税法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたこと
    このうち、①「1年以上所在不明であること」における「所在不明」については、例えば、消費税の申告書の提出がないなどの場合において、文書の返戻や電話の不通をはじめとして、事業者と必要な連絡が取れないときなどが該当します。
    なお、消費税法上、事業者に、②事業の廃止の事実があった場合は「事業廃止届出書」を、③合併による消滅の事実があった場合は「合併による法人の消滅届出書」をそれぞれ提出する義務があります(これらの届出書の提出により登録は失効します。)(消法 57①三、五、新消法57 の2⑩)。

  • 当社は、適格請求書発行事業者の登録を受けています。翌課税期間の基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下ですが、当社は、免税事業者となりますか。

    その課税期間の基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下の事業者は、原則として、消費税の納税義務が免除され、免税事業者となります。
    しかしながら、適格請求書発行事業者は、その基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下となった場合でも免税事業者となりません(新消法9①、インボイス通達2-5)。したがって、適格請求書発行事業者である貴社は、翌課税期間に免税事業者となることはありません。

  • 登録番号は、どのような構成ですか。

    登録番号の構成は、次のとおりです(インボイス通達2-3)。
    ① 法人番号を有する課税事業者
    「T」(ローマ字)+法人番号(数字 13 桁)
    ② ①以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等)
    「T」(ローマ字)+数字 13 桁(注)
    (注) 13 桁の数字には、マイナンバー(個人番号)は用いず、法人番号とも重複しない事業者ごとの番号となります。
    (参考) 登録番号の記載例
    ・ T1234567890123
    ・ T-1234567890123
    ※ 請求書等への表記に当たり、半角・全角は問いません。

  • 適格請求書発行事業者の情報は、どのような方法で公表されますか。

    適格請求書発行事業者の情報は、国税庁ホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年 10 月運用開始予定)において公表されます(新消法 57 の2④⑪、新消令 70 の5②)。また、適格請求書発行事業者の登録が取り消された場合又は効力を失った場合、その年月日が「適格請求書発行事業者公表サイト」において公表されます。具体的な公表情報については、次のとおりです。
    ⑴ 法定の公表事項(新消法 57 の2④⑪、新消令 70 の5①)
    ① 適格請求書発行事業者の氏名(※)又は名称
    ② 法人(人格のない社団等を除きます。)については、本店又は主たる事務所の所在地
    ③ 特定国外事業者以外の国外事業者については、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地
    ④ 登録番号
    ⑤ 登録年月日
    ⑥ 登録取消年月日、登録失効年月日
    (※)個人事業者の氏名について、「住民票に併記されている外国人の通称」又は「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を氏名として公表することを希望する場合又はこれらを氏名と併記して公表することを希望する場合は、登録申請書と併せて、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。⑵ 本人の申し出に基づき追加で公表できる事項
    次の①、②の事項について公表することを希望する場合には、必要事項を記載した「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」をご提出ください。
    ① 個人事業者の「主たる屋号」、「主たる事務所の所在地等」
    ② 人格のない社団等の「本店又は主たる事務所の所在地」

  • 適格請求書発行事業者公表サイトでの適格請求書発行事業者の公表情報の確認方法について教えてください。

    適格請求書発行事業者の情報については、国税庁ホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年 10 月運用開始予定)において公表されます(新消法 57 の2④⑪、新消令70 の5②)。この「適格請求書発行事業者公表サイト」では、交付を受けた請求書等に記載された登録番号を基にして検索する方法により、適格請求書発行事業者の氏名・名称や登録年月日などの公表情報を確認することができます。
    なお、相手方から交付を受けた請求書等に記載がある登録番号に基づき、検索を行った結果、該当する公表情報がない場合(交付を受けた請求書等の記載内容と異なる情報が表示される場合を含みます。)、請求書等に記載された登録番号が誤っている可能性などがありますので、まずは、相手方にご確認いただきますようお願いします。
    (参考)「適格請求書発行事業者公表サイト」には、登録番号を基にした検索のほか、システム間連携のためのWEB―API機能や公表情報に係るデータのダウンロード機能があります。これらの機能の詳細については、国税庁ホームページ「インボイス制度特設サイト」で仕様公開しておりますので、ご確認ください。

  • 適格請求書発行事業者の公表情報に変更等があった場合の手続について教えてください。

    適格請求書発行事業者の氏名又は名称、法人の本店所在地などの法定の公表事項に変更があった場合は、適格請求書発行事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」(個人事業者の氏名について「住民票に併記されている外国人の通称」若しくは「住民票に併記されている旧氏(旧姓)」を公表している場合又はこれらを氏名と併記して公表している場合に、その公表事項等を変更するときは、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」)を提出する必要があり、これにより、適格請求書発行事業者登録簿の情報及び公表情報が変更されます(新消法 57 の2⑧)。
    また、個人事業者等が主たる屋号や主たる事務所の所在地を公表している場合に、その情報に変更等があったとき又は公表をしないこととするときは、当該個人事業者等は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出する必要があり、これにより、公表情報が変更されます。
    なお、通知を受けた適格請求書発行事業者の登録番号は変更することはできません。
    「適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書」及び「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」は、e-Tax を利用して提出することができますのでぜひご利用ください。また、郵送等により登録取消届出書を提出する場合の送付先は、各国税局のインボイス登録センターとなります。各国税局のインボイス登録センターについては、《適格請求書発行事業者の登録は、どのような手続で行うのですか。》をご参照ください。

適格請求書発行事業者の義務等

  • 適格請求書発行事業者は、どのような場合に適格請求書の交付義務が課されるのですか。また、交付義務が課されない場合はあるのですか。

    適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等(注1、2)を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています(新消法 57 の4①)。
    なお、適格請求書発行事業者は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法 57 の4⑤)。
    ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(新消令 70 の9②)(適格請求書の交付義務が免除される取引の詳細については《適格請求書発行事業者の義務等》の各質問をご参照ください。)。
    ① 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
    ② 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
    ③ 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
    ④ 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
    ⑤ 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
    (注)1 課税資産の譲渡等に係る適用税率は問いませんので、標準税率の取引のみを行っている場合でも、取引の相手方(課税事業者に限ります。)から交付を求められたときは、適格請求書の交付義務があることにご留意ください。
    2 免税取引、非課税取引及び不課税取引のみを行った場合については、適格請求書の交付義務は課されません。

  • 適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付できるのは、どのような場合ですか。

    適格請求書発行事業者が、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う次の事業を行う場合には、適格請求書に代えて、適格請求書の記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができます(新消法 57 の4②、新消令 70 の 11)。
    ① 小売業
    ② 飲食店業
    ③ 写真業
    ④ 旅行業
    ⑤ タクシー業
    ⑥ 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限ります。)
    ⑦ その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業
    「不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業」であるかどうかは、個々の事業の性質により判断しますが、例えば、資産の譲渡等を行う者が資産の譲渡等を行う際に相手方の氏名又は名称等を確認せず、取引条件等をあらかじめ提示して相手方を問わず広く資産の譲渡等を行うことが常態である事業などについては、これに該当します。
    なお、適格簡易請求書についても、その交付に代えて、その記載事項に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4⑤)。

  • 適格請求書の様式は、法令又は通達等で定められていますか。

    適格請求書の様式は、法令等で定められていません。
    適格請求書として必要な次の事項が記載された書類(請求書、納品書、領収書、レシート等)であれば、その名称を問わず、適格請求書に該当します(新消法57の4①、インボイス通達3-1)。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

  • 当店は、現在、顧客に手書きの領収書を交付しています。適格請求書等保存方式の導入後においても、その手書きの領収書を適格請求書として交付することはできますか。

    手書きの領収書であっても、適格請求書として必要な次の事項が記載されていれば、適格請求書に該当します(新消法57の4①、インボイス通達3-1)。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    なお、適格簡易請求書を交付する場合の記載事項については、問 47《当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。軽減税率制度の実施後、買手
    の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次のレシートを取引先に交付しています。(以下省略)》をご参照ください。

  • 返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格請求書発行事業者は、何か対応が必要ですか。

    適格請求書発行事業者には、課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書の交付義務が課されています(新消法57の4③)。
    ただし、適格請求書の交付義務が免除される場合と同様、次の場合には、適格返還請求書の交付義務が免除されます(新消令70の9③)。
    ① 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送
    ② 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
    ③ 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
    ④ 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
    ⑤ 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
    なお、適格返還請求書の記載事項については、《適格請求書発行事業者の義務等》の各質問をご参照ください。

  • 当社は、請求書を取引先にインターネットを通じて電子データにより提供していますが、この請求書データを適格請求書とすることができますか。

    適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは、適格請求書を交付する必要がありますが、交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4①⑤)。
    したがって、貴社は、請求書データに適格請求書の記載事項を記録して提供することにより、適格請求書の交付に代えることができます。
    ただし、適格請求書発行事業者が提供した電子データを電磁的に保存しようとする場合には一定の要件を満たした状態で保存する必要がありますが、その具体的な内容については、《当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。》をご参照ください。
    (参考) 電磁的記録による提供方法としては、光ディスク、磁気テープ等の記録用の媒体による提供のほか、例えば、次の方法があります(インボイス通達3-2)。
    ① EDI取引(注)における電子データの提供
    ② 電子メールによる電子データの提供
    ③ インターネット上にサイトを設け、そのサイトを通じた電子データの提供
    (注) EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

  • 交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、何か対応が必要ですか。

    売手である適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書(電磁的記録により提供を行った場合も含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、買手である課税事業者に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。
    なお、買手である課税事業者が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当しますので(新消法30⑨二)、買手において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である適格請求書発行事業者に確認を求めることも考えられます。この場合は、売手である適格請求書発行事業者は、改めて修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。
    買手である課税事業者の対応は、《記載事項に誤りがある適格請求書の交付を受けた事業者が、その課税仕入れについて仕入税額控除の適用に係る請求書等の保存要件を満たすために必要となる対応について教えてください。》をご参照ください。

  • 交付した適格請求書等に誤りがあった場合に交付する修正した適格請求書等の交付方法について教えてください。

    適格請求書発行事業者が、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付した場合(電磁的記録により提供を行った場合を含みます。)において、これらの書類の記載事項に誤りがあったときには、これらの書類を交付した相手方に対して、修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書を交付しなければなりません(新消法57の4④⑤)。
    これらの交付方法は、例えば、
    ・ 誤りがあった事項を修正し、改めて記載事項の全てを記載したものを交付する方法
    ・ 当初に交付したものとの関連性を明らかにし、修正した事項を明示したものを交付する方法などが考えられます。

  • 適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者に対しては、その旨が書面で通知されるそうですが、登録日から通知を受けるまでの間の取引については、既に請求書(区分記載請求書等の記載事項である「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」を記載しており、「税率ごとに区分した消費税額等」の記載はありません。)を交付しています。改めて、適格請求書の記載事項を満たした書類を交付しなければいけませんか。

    ご質問の場合、登録日から登録の通知を受けるまでの間の取引について、相手方に交付した請求書は、登録番号、税率ごとに区分した消費税額等の記載がなく適格請求書の記載事項を満たしていません。
    この場合、通知を受けた後、登録番号や税率ごとに区分した消費税額等を記載し、適格請求書の記載事項を満たした請求書を改めて相手方に交付する必要がありますが、通知を受けた後に登録番号などの適格請求書の記載事項として不足する事項を相手方に書面等(注)で通知することで、既に交付した請求書と合わせて適格請求書の記載事項を満たすことができます(インボイス通達2-4)。
    (注) 既に交付した書類との相互の関連が明確であり、書面等の交付を受ける事業者が適格請求書の記載事項を適正に認識できるものに限ります。

  • 適格請求書の交付が困難な取引として、交付義務が免除される取引にはどのようなものがありますか。

    適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書の交付義務が課されています(新消法57の4①)。
    ただし、次の取引は、適格請求書発行事業者が行う事業の性質上、適格請求書を交付することが困難なため、適格請求書の交付義務が免除されます(新消令70の9②)。
    ① 3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送(以下「公共交通機関特例」といいます。)
    ② 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
    ③ 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
    ④ 3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等(以下「自動販売機特例」といいます。)
    ⑤ 郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

  • 公共交通機関特例の対象となる公共交通機関の行う旅客の運送とは、具体的にはどのようなものですか。

    適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送で、次のものをいいます(新消令70の9②一)。
    ① 船舶による旅客の運送
    一般旅客定期航路事業(海上運送法2⑤)、人の運送をする貨物定期航路事業(同法19の6の2)、人の運送をする不定期航路事業(同法20②)(乗合旅客の運送をするものに限ります。)として行う旅客の運送(対外航路のものを除きます。)
    ② バスによる旅客の運送
    一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法3一イ)として行う旅客の運送
    (注) 路線不定期運行(空港アクセスバス等)及び区域運行(旅客の予約等による乗合運行)も対象となります。
    ③ 鉄道・軌道による旅客の運送
    ・ 鉄道:第一種鉄道事業(鉄道事業法2②)、第二種鉄道事業(同法2③)として行う旅客の運送
    ・ 軌道(モノレール等):軌道法3条に規定する運輸事業として行う旅客の運送

  • 3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、どのような単位で判定するのですか。

    適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送です(新消令70の9②一)。
    この3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、1回の取引の税込価額が3万円未満かどうかで判定します(インボイス通達3-9)。したがって、1商品(切符1枚)ごとの金額や、月まとめ等の金額で判定することにはなりません。
    【具体例】
    東京‐新大阪間の新幹線の大人運賃が 13,000 円であり、4人分の運送役務の提供を行う場合には、4人分の 52,000 円で判定することとなります。

  • 特急列車に乗車するために支払う特急料金や駅構内に入場するために支払う入場料金は、公共交通機関特例の対象になりますか。

    適格請求書の交付義務が免除される公共交通機関特例の対象となるのは、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送です(新消令70の9②一)。
    ご質問の特急料金、急行料金及び寝台料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価として、公共交通機関特例の対象となります。
    他方、入場料金や手回品料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価ではありませんので、公共交通機関特例の対象となりません(インボイス通達3-10)。

  • 卸売市場を通じた生鮮食料品等の委託販売は、出荷者等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。

    卸売市場法に規定する卸売市場において、同法に規定する卸売業者が卸売の業務として出荷者から委託を受けて行う同法に規定する生鮮食料品等の販売は、適格請求書を交付することが困難な取引として、出荷者等から生鮮食料品等を購入した事業者に対する適格請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4①、新消令70の9②二イ)。
    本特例の対象となる卸売市場とは、
    ① 農林水産大臣の認定を受けた中央卸売市場
    ② 都道府県知事の認定を受けた地方卸売市場
    ③ ①及び②に準ずる卸売市場として農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たす卸売市場のうち農林水産大臣の確認を受けた卸売市場とされています。
    農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準は、以下の5つが定められています(令和2 年農林水産省告示第683号)。
    ① 生鮮食料品等(卸売市場法第2条第1項に規定する生鮮食料品等をいいます。②についても同じ。)の卸売のために開設されていること
    ② 卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引及び荷捌きに必要な施設が設けられていること
    ③ 継続して開場されていること
    ④ 売買取引の方法その他の市場の業務に関する事項及び当該事項を遵守させるための措置に関する事項を内容とする規程が定められていること
    ⑤ 卸売市場法第2条第4項に規定する卸売をする業務のうち販売の委託を受けて行われるものと買い受けて行われるものが区別して管理されていること
    なお、この場合において、生鮮食料品等を購入した事業者は、卸売の業務を行う事業者など媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。仕入税額控除の要件については、《適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件を教えてください。》をご参照ください。

    【参考】
    ○ 卸売市場法第2条(定義)
    この法律において「生鮮食料品等」とは、野菜、果実、魚類、肉類等の生鮮食料品その他一般消費者が日常生活の用に供する食料品及び花きその他一般消費者の日常生活と密接な関係を有する農畜水産物で政令で定めるものをいう。
    2 この法律において「卸売市場」とは、生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であつて、卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引及び荷さばきに必要な施設を設けて継続して開場されるものをいう。
    3 (省略)
    4 この法律において「卸売業者」とは、卸売市場に出荷される生鮮食料品等について、その出荷者から卸売のための販売の委託を受け、又は買い受けて、当該卸売市場において卸売をする業務を行う者をいう。
    5 (省略)
    ○ 卸売市場法施行令第1条(一般消費者の日常生活と密接な関係を有する農畜水産物)卸売市場法第2条第1項の政令で定める農畜産物は、次に掲げるものとする。
    一 野菜及び果樹の種苗
    二 牛、馬、豚、めん羊及び山羊の原皮

  • 農業協同組合等を通じた農林水産物の委託販売は、組合員等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。

    農業協同組合法に規定する農業協同組合や農事組合法人、水産業協同組合法に規定する水産業協同組合、森林組合法に規定する森林組合及び中小企業等協同組合法に規定する事業協同組合や協同組合連合会(以下これらを併せて「農協等」といいます。)の組合員その他の構成員が、農協等に対して、無条件委託方式かつ共同計算方式により販売を委託した、農林水産物の販売(その農林水産物の譲渡を行う者を特定せずに行うものに限ります。)は、適格請求書を交付することが困難な取引として、組合員等から購入者に対する適格請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4①、新消令70の9②二ロ)。
    なお、無条件委託方式及び共同計算方式とは、それぞれ、次のものをいいます(新消令70の9②二ロ、新消規26の5②)。
    ① 無条件委託方式
    出荷した農林水産物について、売値、出荷時期、出荷先等の条件を付けずに、その販売を委託すること
    ② 共同計算方式
    一定の期間における農林水産物の譲渡に係る対価の額をその農林水産物の種類、品質、等級その他の区分ごとに平均した価格をもって算出した金額を基礎として精算すること
    また、この場合において、農林水産物を購入した事業者は、農協等が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。仕入税額控除の要件については、《適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件を教えてください。》をご参照ください。

  • 3万円未満の自動販売機や自動サービス機による商品の販売等は、適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的にはどのようなものが該当しますか。

    適格請求書の交付義務が免除される自動販売機特例の対象となる自動販売機や自動サービス機とは、代金の受領と資産の譲渡等が自動で行われる機械装置であって、その機械装置のみで、代金の受領と資産の譲渡等が完結するものをいいます(インボイス通達3-11)。
    したがって、例えば、自動販売機による飲食料品の販売のほか、コインロッカーやコインランドリー等によるサービス、金融機関のATMによる手数料を対価とする入出金サービスや振込サービスのように機械装置のみにより代金の受領と資産の譲渡等が完結するものが該当することとなります。
    なお、小売店内に設置されたセルフレジを通じた販売のように機械装置により単に精算が行われているだけのもの、自動券売機のように代金の受領と券類の発行はその機械装置で行われるものの資産の譲渡等は別途行われるようなもの及びネットバンキングのように機械装置で資産の譲渡等が行われないものは、自動販売機や自動サービス機による商品の販売等に含まれません。

  • 当社(委託者)は、取引先(受託者)に商品の販売を委託し、委託販売を行っています。これまで、販売した商品の納品書は取引先から購入者に交付していましたが、この納品書を適格請求書として交付することはできますか。なお、当社と取引先はいずれも適格請求書発行事業者です。

    適格請求書発行事業者には、課税資産の譲渡等を行った場合、課税事業者からの求めに応じて適格請求書の交付義務が課されています(新消法57の4①)。
    委託販売の場合、購入者に対して課税資産の譲渡等を行っているのは、委託者ですから、本来、委託者が購入者に対して適格請求書を交付しなければなりません。
    このような場合、受託者が委託者を代理して、委託者の氏名又は名称及び登録番号を記載した、委託者の適格請求書を、相手方に交付することも認められます(代理交付)。
    また、次の①及び②の要件を満たすことにより、媒介又は取次ぎを行う者である受託者が、委託者の課税資産の譲渡等について、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書又は適格請求書に係る電磁的記録を、委託者に代わって、購入者に交付し、又は提供することができます(以下「媒介者交付特例」といいます。)(新消令70の12①)。
    ① 委託者及び受託者が適格請求書発行事業者であること
    ② 委託者が受託者に、自己が適格請求書発行事業者の登録を受けている旨を取引前までに通知していること(通知の方法としては、個々の取引の都度、事前に登録番号を書面等により通知する方法のほか、例えば、基本契約等により委託者の登録番号を記載する方法などがあります(インボイス通達3-7)。)
    なお、媒介者交付特例を適用する場合における受託者の対応及び委託者の対応は、次のとおりです。
    【受託者の対応(新消令70の12①③)】
    ① 交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を保存する。
    ② 交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を速やかに委託者に交付又は提供する。
    (注) 委託者に交付する適格請求書の写しについては、例えば、複数の委託者の商品を販売した場合や、多数の購入者に対して日々適格請求書を交付する場合などで、コピーが大量になるなど、適格請求書の写しそのものを交付することが困難な場合には、適格請求書の写しと相互の関連が明確な、精算書等の書類等を交付することで差し支えありませんが、この場合には、交付した当該精算書等の写しを保存する必要があります(インボイス通達3-8)。
    なお、精算書等の書類等には、適格請求書の記載事項のうち、「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率」や「税率ごとに区分した消費税額等」など、委託者の売上税額の計算に必要な一定事項を記載する必要があります。

    【委託者の対応(新消令70の12④)】
    ① 自己が適格請求書発行事業者でなくなった場合、その旨を速やかに受託者に通知する。
    ② 委託者の課税資産の譲渡等について、受託者が委託者に代わって適格請求書を交付していることから、委託者においても、受託者から交付された適格請求書の写しを保存する。
    したがって、ご質問の場合は、取引先も適格請求書発行事業者ですから、貴社が取引先に自らが適格請求書発行事業者であることを通知することにより、取引先が自らの名称及び登録番号を記載した納品書を作成し、貴社の適格請求書として購入者に交付することができます。
    なお、貴社は取引先から交付を受けた適格請求書の写しを保存する必要があります。

  • 当社(受託者)は、複数の取引先(委託者)から委託を受けて、受託販売を行っています。一の売上先に対して、複数の取引先の商品の販売を行うことがあり、その場合、媒介者交付特例により、当社が一括して適格請求書を交付することは可能でしょうか。

    次の①及び②の要件を満たすことにより、媒介又は取次ぎを行う者である受託者が、委託者の課税資産の譲渡等について、自己(受託者)の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書又は適格請求書に係る電磁的記録を、委託者に代わって、購入者に交付し、又は提供することができます(新消令70の12①)。
    ① 委託者及び受託者が適格請求書発行事業者であること
    ② 委託者が受託者に、自己が適格請求書発行事業者の登録を受けている旨を取引前までに通知していること(通知の方法としては、個々の取引の都度、事前に登録番号を書面等により通知する方法のほか、例えば、基本契約等により委託者の登録番号を記載する方法などがあります(インボイス通達3-7)。)
    この媒介者交付特例の適用により、ご質問のように複数の委託者に係る商品を一の売上先に販売した場合であっても、1枚の適格請求書により交付を行うことが可能です。
    この場合、適格請求書の記載事項である課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額は、委託者ごとに記載し、消費税額等の端数処理についても委託者ごとに行うことが原則となります。
    ただし、受託者が交付する適格請求書単位で、複数の委託者の取引を一括して記載し、消費税額等の端数処理を行うことも差し支えありません。

    (参考) 複数の委託者の取引を一括して代理交付する場合
    受託者(代理人)が複数の委託者(被代理人)の取引について代理して適格請求書を交付する場合は、各委託者の氏名又は名称及び登録番号を記載する必要があります。
    また、複数の委託者の取引を一括して請求書に記載して交付する場合、委託者ごとに課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を記載し、消費税額等も委託者ごとに計算し、端数処理を行わなければなりません。

  • 当社は、取引先数社と任意組合であるJVを組成し、建設工事を行っています。このような任意組合により事業を行う場合、取引の相手方に対し、どのように適格請求書を交付すればよいですか。

    民法第667条第1項に規定する組合契約によって成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合若しくは有限責任事業組合契約に関する法律第2条に規定する有限責任事業組合又は外国の法令に基づいて設立された団体であってこれらの組合に類似するもの(以下「任意組合等」といいます。)が事業として行う課税資産の譲渡等については、その組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、民法第670条第3項に規定する業務執行者などの業務執行組合員が、納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を提出した場合に限り、適格請求書を交付することができます(新消法57の6①、新消令70の14①②)。
    この場合、任意組合等のいずれかの組合員が適格請求書を交付することができ、その写しの保存は、適格請求書を交付した組合員が行うこととなります。
    なお、次の場合に該当することとなったときは、該当することとなった日以後の取引について、適格請求書を交付することができなくなります。
    ① 適格請求書発行事業者でない新たな組合員を加入させた場合
    ② 当該任意組合等の組合員のいずれかが適格請求書発行事業者でなくなった場合
    これらの場合に該当することとなったときは、業務執行組合員が速やかに納税地を所轄する税務署長に「任意組合等の組合員が適格請求書発行事業者でなくなった旨等の届出書」を提出しなければなりません(新消法57の6②)。
    (参考) 任意組合等の事業に係る適格請求書の記載事項については《民法上の任意組合(組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、その旨の届出書を所轄
    税務署長に提出しています。)の事業として行った取引について、適格請求書を交付する場合、適格請求書には、組合員全ての「氏名又は名称及び登録番号」を記載する必要がありますか。》をご参照ください。

  • 当社は、適格請求書発行事業者です。適格請求書発行事業者でない事業者と共有している建物を売却することになりましたが、適格請求書はどのように交付すればよいですか。

    適格請求書発行事業者が適格請求書発行事業者以外の者と資産を共有している場合、その資産の譲渡や貸付けについては、所有者ごとに取引を合理的に区分し、相手方の求めがある場合には、適格請求書発行事業者の所有割合に応じた部分について、適格請求書を交付しなければなりません(インボイス通達3-5)。
    したがって、貴社は、建物の売却代金のうち、貴社の所有割合(例えば持分など)に対応する部分を基礎として、適格請求書を交付することとなります。

  • 当社は、事業者に対して飲食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次の請求書を取引先に交付しています。 今後、令和5年 10 月からの適格請求書等保存方式の導入を踏まえ、適格請求書の記載事項を満たす請求書を取引先に交付したいと考えていますが、どのような対応が必要ですか。

    適格請求書には、次の事項が記載されていることが必要です(区分記載請求書等保存方式における請求書等の記載事項に加え、①、④及び⑤の下線部分が追加されます。)(新消法57の4①)。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    このため、貴社の対応としては、次の記載例のように、適格請求書として必要な事項(上記①、④及び⑤の下線部分)を記載することが必要です。
    (注) 上記の記載事項のうち、①の登録番号を記載しないで作成した請求書等は、令和元年 10 月1日から実施された軽減税率制度における区分記載請求書等として取り扱われます。

    (参考) 令和元年 10 月1日から令和5年9月 30 日(適格請求書等保存方式の導入前)まで
    の間において、適格請求書として必要な事項が記載されている請求書等については、区分記載請求書等として必要な事項が記載されていることとなります(消法 30⑨、28 年改正法附則 34②)。
    (注)1 区分記載請求書等の記載事項
    ① 書類の作成者の氏名又は名称
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象
    資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
    ⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
    2 区分記載請求書等の記載事項のうち、④の「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等
    の税込価額」については、適格請求書等の記載事項である「課税資産の譲渡等の税抜価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」を記載することとして差し支えありません。

  • 現在、当社は、請求書を交付する際に記載する名称について、屋号を使用しています。適格請求書に記載する名称も屋号で認められますか。

    現行、請求書等に記載する名称については、例えば、請求書に電話番号を記載するなどし、請求書を交付する事業者を特定することができる場合、屋号や省略した名称などの記載でも差し支えありません。
    適格請求書に記載する名称についても同様に、例えば、電話番号を記載するなどし、適格請求書を交付する事業者を特定することができれば、屋号や省略した名称などの記載でも差し支えありません。

  • 現在、当社は、名称に代えて、取引先と共有する取引先コード(取引先コード表により当社の名称等の情報を共有しています。)を請求書に記載しています。取引先コードの内容に登録番号を追加することにより、適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。

    適格請求書には、「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」の記載が必要となります(新消法57の4①一)。
    登録番号と紐付けて管理されている取引先コード表などを適格請求書発行事業者と相手先の間で共有しており、買手においても取引先コードから登録番号が確認できる場合には、取引先コードの表示により「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」の記載があると認められます。したがって、貴社の請求書は、適格請求書の記載事項を満たすことになります(インボイス通達3-3)。
    なお、売手が適格請求書発行事業者でなくなった場合は、速やかに取引先コード表を修正する必要があるほか、事後的な確認を行うために、売手が適格請求書発行事業者である期間が確認できる措置を講じておく必要があります。

  • 適格請求書には、税率ごとに区分した消費税額等の記載が必要となるそうですが、消費税額等を計算する際の1円未満の端数処理はどのように行えばよいですか。

    適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります(新消令70の10、インボイス通達3-12)。
    なお、切上げ、切捨て、四捨五入などの端数処理の方法については、任意の方法とすることができます。
    (注) 一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められません。

  • 当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事項を満たすものとして、次のレシートを取引先に交付しています。小売業などは、適格請求書の交付に代えて、記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することができるそうですが、その記載事項について教えてください。

    適格請求書等保存方式においては、適格請求書発行事業者が、小売業など不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う一定の事業(適格簡易請求書を交付することができる事業については《適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付できるのは、どのような場合ですか。》をご参照ください。)を行う場合には、適格請求書に代えて、適格簡易請求書を交付することができます(新消法57の4②、新消令70の11)。
    適格簡易請求書の記載事項は、適格請求書の記載事項よりも簡易なものとされており、適格請求書の記載事項と比べると、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が不要である点、「税率ごとに区分した消費税額等」又は「適用税率」のいずれか一方の記載で足りる点が異なります。
    なお、具体的な記載事項は、次のとおりです。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率(※)
    ※ 「税率ごとに区分した消費税額等」と「適用税率」を両方記載することも可能です。
    (注) 上記の記載事項のうち、①の登録番号を記載しないで作成したレシートは、令和元年10月1日から令和5年9月30日(適格請求書等保存方式の導入前)までの間における区分記載請求書等に該当します。

  • 当社は、小売業(スーパーマーケット)を経営する事業者です。当社のレジシステムで買い物客に発行するレシートは、一般の商品は、税抜価額を記載していますが、たばこなどの一部の商品は税込価額を記載しています。この場合、適格簡易請求書に記載する「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」は、どのように算出すればよいのですか。

    適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります(新消令70の10、インボイス通達3-12)。この取扱いについては、適格簡易請求書に消費税額の記載を行う場合についても同様です。
    ご質問のように、一の適格簡易請求書において、税抜価額を記載した商品と税込価額を記載した商品が混在するような場合、いずれかに統一して「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」を記載するとともに、これに基づいて「税率ごとに区分した消費税額等」を算出して記載する必要があります。
    なお、税抜価額又は税込価額のいずれかに統一して「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した額」を記載する際における1円未満の端数処理については、「税率ごとに区分した消費税額等」を算出する際の端数処理ではありませんので、この場合にどのように端数処理を行うかについては、事業者の任意となります。

  • 適格返還請求書の記載事項について教えてください。

    適格請求書発行事業者には、課税事業者に売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書を交付する義務が課されています(新消法57の4③)。
    適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
    ③ 売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
    (売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
    ⑤ 売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率

  • 適格返還請求書には、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」を記載する必要があるとのことですが、日々、商品の返品が行われているため、個々の商品について正確な販売年月日を把握することが困難です。そのため、例えば、10 月中に返品を受けた商品は、前月である9月中に販売したものの返品として処理している場合には「9月末日」を、同商品について最後に販売したものの返品として処理している場合には「最終販売年月日」を、それぞれ「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」として記載することも認められるでしょうか。

    適格請求書発行事業者には、課税事業者に対して売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書を交付する義務が課されており、適格返還請求書には、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」を記載することとされています(新消法57 の4③)。
    この点、「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」は、課税期間の範囲内で一定の期間の記載で差し支えありませんので、例えば、月単位や「○月~△月分」といった記載も認められることとなります。
    他方、返品等の処理を合理的な方法により継続して行っているのであれば、当該返品等の処理に基づき合理的と認められる年月日を記載することとしても差し支えありませんので、ご質問のように「前月末日」や「最終販売年月日」を「売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日」として記載することも、そのような処理が合理的な方法として継続して行われているのであれば、認められることとなります。
    なお、その年月日が、適格請求書発行事業者の登録前の期間に属するものであるときは、適格返還請求書の交付義務はありません(インボイス通達3-14)。

  • 当社は、事業者に対して食料品及び日用雑貨の卸売を行っています。取引先と販売奨励金に係る契約を締結しており、一定の商品を対象として、取引高に応じて、取引先に販売奨励金を支払うこととしています。また、販売奨励金の精算に当たっては、当月分の請求書において、当月分の請求金額から前月分の販売奨励金の金額を控除する形式で行っています。適格請求書等保存方式においては、請求書の記載についてどのような対応が必要ですか。

    ご質問の販売奨励金は、貴社の売上げに係る対価の返還等に該当します。したがって、貴社は、取引先に対し、課税資産の譲渡等と売上げに係る対価の返還等を行っていることから、取引先に対し、適格請求書と適格返還請求書を交付する義務があります。
    この場合において、貴社が交付する請求書に、適格請求書と適格返還請求書それぞれに必要な記載事項を記載して1枚の書類で交付することも可能です。
    具体的には、当月販売した商品について、適格請求書として必要な事項を記載するとともに、前月分の販売奨励金について、適格返還請求書として必要な事項を記載すれば、1枚の請求書を交付することで差し支えありません。
    また、継続して、課税資産の譲渡等の対価の額から売上げに係る対価の返還等の金額を控除した金額及びその金額に基づき計算した消費税額等を税率ごとに請求書等に記載することで、適格請求書に記載すべき「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」と適格返還請求書に記載すべき「売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等」の記載を満たすこともできます(インボイス通達3-16)。
    (注) この場合、課税資産の譲渡等の金額から売上げに係る対価の返還等の金額を控除した金額に基づく消費税額等の計算については、税率ごとに1回の端数処理となります。

  • 当社は、販売促進の目的で、一定の商品を対象として、取引高に応じて、取引先(当社の売上先)に販売奨励金を支払うこととしています。販売奨励金の精算に当たっては、取引先から交付される奨励金請求書に基づき支払い、消費税については、売上げに係る対価の返還等として処理しています。この場合、適格請求書等保存方式においては、当社から取引先に対して、改めて、適格返還請求書を交付する必要がありますか。

    ご質問の販売奨励金は、貴社の売上げに係る対価の返還等に該当します(基通14-1-2)ので、貴社は、取引先に対し、適格返還請求書を交付する義務があります(新消法57の4③)。
    適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
    ③ 売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
    ⑤ 売上げに係る対価の返還等の金額に係る税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率                                 ご質問の場合、取引先が作成する書類である奨励金請求書に販売奨励金に関する適格返還請求書として必要な事項が記載されていれば、貴社と相手方との間で、貴社の売上げに係る対価の返還等の内容について記載された書類が共有されていますので、貴社は、改めて、適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。

  • 当社は、書類に代えて、インターネットを利用して電子メールで請求書に係る電磁的記録を提供しています。適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供できるそうですが、この電磁的記録には、どのような内容を記録する必要がありますか。

    適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは適格請求書を交付しなければなりませんが、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供することができます(新消法57の4①⑤)。
    なお、提供する電磁的記録は、次のとおり適格請求書の記載事項と同じ内容の記録である必要があります。
    ① 電磁的記録を提供する適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 電磁的記録の提供を受ける事業者の氏名又は名称
    また、電磁的記録による提供方法については、《当社は、請求書を取引先にインターネットを通じて電子データにより提供していますが、この請求書データを適格請求書とすることができますか。》をご参照ください。

  • 当社は、取引の都度、取引先に商品名を記載した納品書を交付するとともに、請求については1か月分をまとめて、請求書を交付しています。軽減税率制度の実施後、以下のように、請求書において、1か月分の取引に係る納品書番号を記載した上で、税率ごとの税込金額の合計額を記載しています。令和5年 10 月からは、請求書を適格請求書として交付しようと考えていますが、どのような対応が必要ですか。

    適格請求書とは、次の事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいますが、一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、交付された複数の書類相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法(例えば、請求書に納品書番号を記載するなど)で交付されていれば、その複数の書類の全体により適格請求書の記載事項を満たすことになります(インボイス通達3-1)。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 適格請求書の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    したがって、ご質問の場合、次の対応が考えられます。

  • 当社は、商品の納品の都度、取引先に納品書を交付しており、そこには、当社の名称、商品名、納品書ごとの合計金額を記載しています。令和5年 10 月から、納品書に税率ごとに区分して合計した税込価額、適用税率と納品書ごとに計算した消費税額等の記載を追加するとともに、請求書に登録番号の記載を追加すれば、納品書と請求書を合わせて適格請求書の記載事項を満たすことになりますか。また、その場合、端数処理はどのように行えばよいでしょうか。

    適格請求書とは、必要な事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいますが、一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、交付された複数の書類相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法(例えば、請求書に納品書番号を記載する方法など)で交付されていれば、これら複数の書類に記載された事項により適格請求書の記載事項を満たすことができます(インボイス通達3-1)。
    このため、ご質問のように納品書に「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率」及び「税率ごとに区分した消費税額等」の記載を追加するとともに、「登録番号」を請求書に記載した場合は、納品書と請求書を合わせて適格請求書の記載事項を満たすこととなります。
    この場合、納品書に「税率ごとに区分した消費税額等」を記載するため、納品書につき税率ごとに1回の端数処理を行うこととなります。

  • 当社は、小売業(スーパーマーケット)を営む事業者です。当社では、飲食料品と飲食料品以外のものを同時に販売した際に、合計金額(税込み)から 1,000 円の値引きができる割引券を発行しています。令和5年 10 月から、顧客が割引券を使用し、値引きを行った場合、当社が発行するレシートには、どのような記載が必要となりますか。

    飲食料品と飲食料品以外の資産を同時に譲渡し、割引券等の利用により、その合計額から一括して値引きを行う場合、税率ごとに区分した値引き後の課税資産の譲渡等の対価の額に対してそれぞれ消費税が課されることとなります。
    そのため、適格簡易請求書であるレシート等における「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」は、値引き後のものを明らかにする必要があります。
    なお、税率ごとに区分された値引き前の課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額と税率ごとに区分された値引額がレシート等において明らかとなっている場合は、これらにより値引き後の課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額が確認できるため、このような場合であっても、値引き後の「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」が明らかにされているものとして取り扱われます。
    また、レシート等に記載する「消費税額等」については、値引後の「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」から計算することとなります。
    ご質問の場合、レシートの記載方法としては次のようなものがあります。
    (参考) 顧客が割引券等を利用したことにより、同時に行った資産の譲渡等を対象として一括して対価の額の値引きが行われており、その資産の譲渡等に係る適用税率ごとの値引額又は値引き後の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額が明らかでないときは、割引券等による値引額をその資産の譲渡等に係る価額の比率によりあん分し、適用税率ごとの値引額を区分し、値引き後の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額を算出することとされています。
    その資産の譲渡等に際して顧客へ交付する領収書等の書類により適用税率ごとの値引額又は値引き後の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額が確認できるときは、その資産の譲渡等に係る値引額又は値引き後の税抜価額又は税込価額の合計額が、適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当することとされています。
    したがって、例えば、軽減税率の適用対象とならない課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額からのみ値引きしたとしても、値引額又は値引き後の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額が領収書等の書類により確認できるときは、適用税率ごとに合理的に区分されているものに該当します。

  • 当社は、EDI取引を行っており、受発注や納品などの日々の取引については、取引先と電磁的記録を交換することにより行っています。ただし、請求書については、月まとめで、書面により取引先に交付しています。請求書を適格請求書とするために、請求書には、以下のように登録番号等の記載を行い、日々の取引の明細については、電磁的記録である請求明細(税率ごとに分けて作成します。)を参照しようと考えています。このような場合であっても、適格請求書を交付したことになりますか。(注) EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

    適格請求書とは、次の事項が記載された請求書、納品書等の書類をいいますが、一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、書類相互(書類と電磁的記録)の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、複数の書類や、書類と電磁的記録の全体により、適格請求書の記載事項を満たすことになります。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(当該課税資産の譲渡等が軽減税率の対象となるものであれば、その内容及び軽減税率の対象である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 適格請求書の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    したがって、ご質問の場合、課税資産の譲渡等の内容(軽減税率の対象である旨を含みます。) を含む請求明細に係る電磁的記録を提供した上で、それ以外の記載事項のある月まとめの請求書を交付することで、これら全体により、適格請求書の記載事項を満たすことになります。
    なお、請求明細に係る電磁的記録については、提供した適格請求書に係る電磁的記録と同様の措置等を行い、保存する必要があります。提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存方法については、《当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。》をご参照ください。

  • 当社は、日用雑貨の卸売を行う事業者です。当社では、軽減税率の適用対象となる商品の 販売がありません。軽減税率制度の実施後、買手の仕入税額控除のための請求書等の記載事 項を満たすものとして、次の請求書を取引先に交付しています。 当社が交付する請求書を適格請求書とするためには、記載内容にどのような変更が必要で しょうか。

    適格請求書の記載事項は、次のとおりです(区分記載請求書等保存方式における請求書等の記載事項に加え、①、④及び⑤の下線部分が追加されます。)(新消法57の4①)。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
    ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
    このため、貴社の対応としては、次の記載例のように、適格請求書として必要な事項(上記①、④及び⑤の下線部分)を記載することが必要です。
    ご質問のように、販売する商品が軽減税率の適用対象とならないもののみであれば、「軽減対象資産の譲渡等である旨」の記載は不要であり、これまでと同様に課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)の記載があれば、結果として「課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」の記載があるものとなります。
    なお、適用税率(10%)や消費税額等の記載が必要となる点には、ご留意ください。

  • 民法上の任意組合(組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、その旨の届出書を所轄税務署長に提出しています。)の事業として行った取引について、適格請求書を交付する場合、適格請求書には、組合員全ての「氏名又は名称及び登録番号」を記載する必要がありますか。

    任意組合等の事業として行われる取引については、その組合員の全てが適格請求書発行事業者であり、業務執行組合員が、その旨を記載した届出書に、当該任意組合等の契約書の写しを添付し、納税地を所轄する税務署長に提出した場合に限り、適格請求書を交付することができます(新消法57の6①、新消令70の14①)。
    この場合、交付する適格請求書に記載する「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」は、原則として組合員全員のものを記載することとなりますが、次の事項(①及び②)を記載することも認められます(新消令70の14⑤)。
    ① その任意組合等の、いずれかの組合員の「氏名又は名称及び登録番号」(一又は複数の組合員の「氏名又は名称及び登録番号」で差し支えありません。)
    ② その任意組合等の名称

  • 当社は、令和3年10月に登録申請書を提出し、適格請求書等保存方式が導入される前(令 和5年9月 30 日以前)に登録番号が通知されました。令和5年9月30日以前に交付する区分記載請求書等に登録番号を記載しても問題ないですか。

    ご質問のように、区分記載請求書等に登録番号を記載しても、区分記載請求書等の記載事項が記載されていれば、取引の相手方は、区分記載請求書等保存方式の間(令和元年10月1日から令和5年9月30日まで)における仕入税額控除の要件である区分記載請求書等を保存することができますので、区分記載請求書等に登録番号を記載しても差し支えありません。
    また、適格請求書の発行に対応したレジシステム等の改修を行い、適格請求書の記載事項を満たした請求書等を発行する場合にも、その請求書等は、区分記載請求書等として必要な記載事項を満たしていますので、区分記載請求書等保存方式の間に交付しても問題ありません。
    (注) 区分記載請求書等の記載事項のうち、税率ごとに区分して合計した税込価額については、適格請求書の記載事項である課税資産の譲渡等の税抜価額を税率ごとに区分して合計した金額及び税率ごとに区分した消費税額等を記載することとして差し支えありません。

  • 適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しの保存が義務付けられるとのことですが、「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類を複写したものでなければならないのですか。

    適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写し及び提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存義務があります(新消法 57 の4⑥)。
    「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類そのものを複写したものに限らず、その適格請求書の記載事項が確認できる程度の記載がされているものもこれに含まれますので、例えば、適格簡易請求書に係るレジのジャーナル、複数の適格請求書の記載事項に係る一覧表や明細表などの保存があれば足りることとなります。
    ※ 自己が一貫して電子計算機を使用して作成した適格請求書については、その写しを電磁的記録により保存することも認められます。詳しくは、《当社は、自己の業務システムで作成した適格請求書を出力し、書面で交付しています。適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しを保存しなければなりませんが、書面で交付した適格請求書の写しとして、当該システムで作成したデータを保存することも認められますか。》をご参照ください。また、適格請求書に係る電磁的記録を提供した場合の保存については、《当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。》をご参照ください。

  • 交付した適格請求書の写しや提供した適格請求書に係る電磁的記録については、何年間保存が必要ですか。

    適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写し及び提供した適格請求書に係る電磁的記録の保存義務があります(新消法57の4⑥)。
    この適格請求書の写しや電磁的記録については、交付した日又は提供した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければなりません(新消令70の13①)。

    (参考) 仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等についても、同様です(新消令50①)。

  • 当社は、自己の業務システムで作成した適格請求書を出力し、書面で交付しています。適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しを保存しなければなりませんが、書面で交付した適格請求書の写しとして、当該システムで作成したデータを保存することも認められますか。

    適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写しの保存義務があります(新消法57の4⑥)。
    こうした国税に関する法律の規定により保存が義務付けられている書類で、自己が一貫して電子計算機を使用して作成したものについては、電帳法に基づき、電磁的記録による保存をもって書類の保存に代えることができることとされています(電帳法4②)。
    なお、作成したデータでの保存に当たっては、次の要件を満たす必要があります。
    ① 適格請求書に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)の備付けを行うこと(電帳規2②一、③)
    ② 適格請求書に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと(電帳規2②二、③)
    ③ 国税に関する法律の規定による適格請求書に係る電磁的記録の提示若しくは提出の要求に応じることができるようにしておくこと又は適格請求書に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(電帳規2②三、③)
    ・ 取引年月日、その他の日付を検索条件として設定できること
    ・ 日付に係る記録項目は、その範囲を指定して条件を設定することができること

    (参考) 電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法(Q&A)」を参考としてください。

  • 当社は、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を提供しています。提供した電磁的記録については、保存しなければならないとのことですが、どのような方法で保存すればよいですか。

    適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)から求められたときは適格請求書を交付しなければなりませんが、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録を相手方に提供することができます(新消法57の4①⑤)。
    その場合、適格請求書発行事業者は、提供した電磁的記録を
    ・電磁的記録のまま、又は
    ・紙に印刷して、
    その提供した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、納税地又はその取引に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければなりません(新消法57の4⑥、新消令70の13①、新消規26の8)。
    また、その電磁的記録をそのまま保存しようとするときには、以下の措置を講じる必要があります(新消規26の8①)。
    ① 次のイからニのいずれかの措置を行うこと
    イ 適格請求書に係る電磁的記録を提供する前にタイムスタンプを付し、その電磁的記録を提供すること(電帳規4①一)
    ロ 次に掲げる方法のいずれかにより、タイムスタンプを付すとともに、その電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと(電帳規4①二)
    ・ 適格請求書に係る電磁的記録の提供後、速やかにタイムスタンプを付すこと
    ・ 適格請求書に係る電磁的記録の提供からタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合において、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかにタイムスタンプを付すこと
    ハ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について、次のいずれかの要件を満たす電子計算機処理システムを使用して適格請求書に係る電磁的記録の提供及びその電磁的記録を保存すること(電帳規4①三)
    ・ 訂正又は削除を行った場合には、その事実及び内容を確認することができること
    ・ 訂正又は削除することができないこと
    ニ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと(電帳規4①四)
    ② 適格請求書に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム概要書の備付けを行うこと(電帳規2②一、4①)
    ③ 適格請求書に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと(電帳規2②二、4①)
    ④ 適格請求書に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(電帳規2⑥六、4①)
    ※ 国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときはⅱ及びⅲの要件が不要となり、その判定期間に係る基準期間における売上高が 1,000 万円以下の事業者が国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは検索機能の全てが不要となります。
    ⅰ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索条件として設定できること
    ⅱ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
    ⅲ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること
    他方、適格請求書に係る電磁的記録を紙に印刷して保存しようとするときには、整然とした形式及び明瞭な状態で出力する必要があります(新消規26の8②)。

    (参考) 電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法(Q&A)」を参考としてください。

適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件

  • 適格請求書等保存方式の下での仕入税額控除の要件を教えてください。

    適格請求書等保存方式の下では、一定の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされます(新消法30⑦)。
    保存すべき請求書等には、適格請求書のほか、次の書類等も含まれます(新消法30⑨)。
    イ 適格簡易請求書
    ロ 適格請求書又は適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録
    ハ 適格請求書の記載事項が記載された仕入明細書、仕入計算書その他これに類する書類(課税仕入れの相手方の確認を受けたものに限ります。)(書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)
    ニ 次の取引について、媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類(書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)
    ・ 卸売市場において出荷者から委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の販売
    ・ 農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等が生産者(組合員等)から委託を受けて行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式によるものに限ります。)
    なお、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①、新消規15の4)。
    ① 公共交通機関特例の対象として適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
    ② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)
    ③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
    ④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
    ⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
    ⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
    ⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
    ⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
    ⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

  • 当社は、取引先から請求書を電子データにより提供を受けました。これを出力して保存することで、仕入税額控除の要件を満たしますか。なお、提供を受けた請求書データは、適格請求書の記載事項を満たしています。

    ご質問の請求書の電子データのように、適格請求書に係る電磁的記録による提供を受けた場合であっても、電磁的記録を整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面を保存することで、仕入税額控除の適用に係る請求書等の保存要件を満たします(新消規15の5②)。
    (参考)令和3年度の税制改正により、電帳法において、所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税法の保存義務者については、令和4年1月1日以後行う電子取引に係る電磁的記録を書面やマイクロフィルムに出力してその電磁的記録の保存に代えられる措置が廃止されましたので、全ての電子取引の取引情報に係る電磁的記録を一(注)令和5年 12 月 31 日までに行う電子取引については、保存すべき電子データをプリントアウトして保存し、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば差し支えありません(事前申請等は不要)。定の要件の下、保存しなければならないこととされました。
    電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法(Q&A)」を参考としてください。

  • 当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。適格請求書等保存方式の下でも仕入明細書を保存することによって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすそうですが、相手方への確認は、どのように行えばよいですか。

    仕入税額控除の適用を受けるための請求書等に該当する仕入明細書等は、相手方の確認を受けたものに限られます(新消法30⑨三、インボイス通達4-6)。この相手方の確認を受ける方法としては、例えば、
    ① 仕入明細書等の記載内容を、通信回線等を通じて相手方の端末機に出力し、確認の通信を受けた上で、自己の端末機から出力したもの
    ② 仕入明細書等に記載すべき事項に係る電磁的記録につきインターネットや電子メールなどを通じて課税仕入れの相手方へ提供し、相手方から確認の通知等を受けたもの
    ③ 仕入明細書等の写しを相手方に交付し、又は仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録を相手方に提供した後、一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする基本契約等を締結した場合におけるその一定期間を経たものがあります。
    なお、③については、
    ・ 仕入明細書等に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」旨の通知文書等を添付して相手方に送付し、又は提供し、了承を得る。
    ・ 仕入明細書等又は仕入明細書等の記載内容に係る電磁的記録に「送付後一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおり確認があったものとする」といった文言を記載し、又は記録し、相手方の了承を得る。
    といったように、仕入明細書等の記載事項が相手方に示され、その内容が確認されている実態にあることが明らかであれば、相手方の確認を受けたものとなります。
    (参考) 区分記載請求書等保存方式においても、仕入れを行った者が作成する仕入明細書等の書類で、一定事項が記載されており、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等に該当します。
    ただし、適格請求書等保存方式における仕入明細書等と区分記載請求書等保存方式における仕入明細書等の記載事項は異なりますので、ご注意ください。

  • 当店は、食料品及び日用雑貨の小売を行っています。軽減税率制度の実施後、仕入先への代金の支払に当たり、以下のような仕入明細書を作成し、仕入先の確認を受け、保存しています。令和5年 10 月1日からは、適格請求書等保存方式における請求書等としての記載事項を満たすためには、仕入明細書について、どのような対応が必要ですか。

    区分記載請求書等保存方式においても、仕入側が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等に該当します(消法30⑨二)。
    これは、適格請求書等保存方式の下でも同様ですが、仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等には、次の事項が記載されていることが必要です(区分記載請求書等保存方式における仕入明細書の記載事項に加え、②、⑤及び⑥の下線部分が追加されています。)(新消法30⑨三、新消令49④)。
    ① 仕入明細書の作成者の氏名又は名称
    ② 課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
    ③ 課税仕入れを行った年月日
    ④ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
    ⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
    ⑥ 税率ごとに区分した消費税額等
    (注)上記の記載事項のうち、②の登録番号を記載しないで作成した仕入明細書は、令和元年 10 月1日から令和5年9月 30 日(適格請求書等保存方式の導入前)までの間における区分記載請求書等として取り扱われます。

    (参考) 仕入明細書等の電磁的記録による保存仕入税額控除の要件として保存が必要な請求書等には、上記①から⑥までの記載事項に係る電磁的記録も含まれます(新消令49⑦)。
    したがって、上記①から⑥までの記載事項を記録した電磁的記録を保存することで、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たします。
    なお、仕入明細書等の電磁的記録の保存方法は、提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法と同様となります(新消令50①、新消規15の5)。この電磁的記録の保存方法については、問78《提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法》をご参照ください。

  • 当社は、EDI取引を行っており、取引先と電磁的記録を交換することにより、日々の受発注などを行っています。また、決済に当たっては、取引先から請求書が交付されず、当社から取引先に、月まとめで支払通知書を書面で交付しています(いわゆる請求レス取引)。支払通知書には相手方の登録番号等の記載を行いますが、日々の取引の明細については、取引先から提供される電磁的記録である取引明細(税率ごとに分けて作成されています。)を参照しようと考えています。このような場合、相手方の確認を受けた上で、書面の支払通知書と取引明細の電磁的記録を合わせて保存することで、仕入税額控除の要件である仕入明細書の保存があることとなりますか。【令和2年9月改訂】 (注)EDI(Electronic Data Interchange)取引とは、異なる企業・組織間で商取引に関 連するデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換する取引等をいいます。

    相手方から確認を受けた仕入明細書を仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等とするには、次の事項が記載されていることが必要です(区分記載請求書等保存方式における仕入明細書の記載事項に加え、次の②、⑤及び⑥の下線部分が追加されました。)(新消法30⑨三、新消令49④)。また、保存すべき請求書等には仕入明細書に係る電磁的記録も含まれます(新消令49⑤)。
    ① 仕入明細書の作成者の氏名又は名称
    ② 課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
    ③ 課税仕入れを行った年月日
    ④ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
    ⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
    ⑥ 税率ごとに区分した消費税額等
    なお、保存が必要な請求書等の記載事項は、一の書類だけで記載事項を満たす必要はなく、複数の書類や、書類と電磁的記録について、これらの書類(書類と電磁的記録)相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、その複数の書類や電磁的記録の全体により適格請求書の記載事項を満たすことができます。
    したがって、ご質問の場合、課税資産の譲渡等の内容(軽減税率の対象である旨を含みます。)
    を記録した取引明細に係る電磁的記録と書面で作成する支払通知書の全体により、請求書等の記載事項を満たすため、貴社は、書面で作成した支払通知書と取引明細に係る電磁的記録を合わせて保存することで、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすこととなります。
    また、取引明細に係る電磁的記録の保存方法は、提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録の保存方法と同様となります(新消令50①、新消規15の5)。この電磁的記録の保存方法については、《当社は、取引先から、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録の提供を受けています。仕入税額控除の要件を満たすためには、電磁的記録をどのような方法で保存すればよいですか。》をご参照ください。

  • 適格請求書等保存方式の下では、記載事項を満たす仕入明細書には、「税率ごとに合計し た課税仕入れに係る支払対価の額」と「税率ごとに区分した消費税額等」の記載が必要とのことですが、税抜きの仕入金額と消費税額等を記載することで、必要な記載事項を満たすことになりますか。

    適格請求書等保存方式の下で、仕入税額控除の要件として保存すべき仕入明細書には、次の事項が記載されていることが必要です(新消法30⑨三、新消令49④)。
    ① 仕入明細書の作成者の氏名又は名称
    ② 課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
    ③ 課税仕入れを行った年月日
    ④ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
    ⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
    ⑥ 税率ごとに区分した消費税額等
    ご質問の「税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額」については、税込金額となりますが、税率ごとに区分した仕入金額の税抜きの合計額及び税率ごとに区分した消費税額等を記載することで、その記載があるものとして取り扱われます。

  • 当社は、食品及び日用雑貨の販売を行う事業者です。当社の商品販売売上げに関しては、請求書の交付をすることなく、相手方から交付される次の支払通知書に基づき支払いを受けています。また、返品があった場合には、支払通知書にその内容等が記載されていますが、こうした場合であっても、適格請求書等保存方式においては、改めて、適格返還請求書を交付する必要がありますか。なお、相手方は、仕入税額控除の適用を受けるために、支払通知書を保存しています。

    適格請求書発行事業者には、課税事業者に返品や値引き等の売上げに係る対価の返還等を行う場合、適格返還請求書の交付義務が課されています(新消法57の4③)。
    適格返還請求書の記載事項は、次のとおりです。
    ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ② 売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日(適格請求書を交付した売上げに係るものについては、課税期間の範囲で一定の期間の記載で差し支えありません。)
    ③ 売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
    ⑤ 売上げに係る対価の返還等の金額に係る税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率
    また、適格請求書等保存方式の下でも、仕入側が作成した次の記載事項のある仕入明細書等の書類で、相手方の確認を受けたものについては、仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等に該当します(新消法 30⑨三、新消令 49④)。
    ① 仕入明細書の作成者の氏名又は名称
    ② 課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
    ③ 課税仕入れを行った年月日
    ④ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
    ⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
    ⑥ 税率ごとに区分した消費税額等
    ご質問の場合、相手方が仕入税額控除のために作成・保存している支払通知書に、返品に関する適格返還請求書として必要な事項が記載されていれば、貴社と相手方の間で、貴社の売上げに係る対価の返還等の内容について確認されていますので、貴社は、改めて適格返還請求書を交付しなくても差し支えありません。
    なお、支払通知書に適格返還請求書として必要な事項を合わせて記載する場合に、事業者ごとに継続して、課税仕入れに係る支払対価の額から売上げに係る対価の返還等の金額を控除した金額及びその金額に基づき計算した消費税額等を税率ごとに支払通知書に記載することで、仕入明細書に記載すべき「税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額」及び「税率ごとに区分した消費税額等」と適格返還請求書に記載すべき「売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額」及び「売上げに係る対価の返還等の金
    額に係る税率ごとに区分した消費税額等」の記載を満たすこともできます。

  • 当社は、現在、自ら作成した仕入明細書を相手方の確認を受けた上で請求書等として保存しています。仕入明細書には、当社が行った商品の配送について、配送料として記載し、仕入金額から控除しており、これは、当社の売上げとして計上しています。この場合、仕入明細書とは別にその配送料に係る適格請求書を相手方に交付しなければならないのでしょうか。

    適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています(新消法57 の4①)。
    ご質問の場合、貴社が行う配送(課税資産の譲渡等)の対価として収受する配送料については、別途、相手方の求めに応じて適格請求書を交付する義務があります。このため、配送料に係る適格請求書を仕入明細書とは別に交付する、又は仕入明細書に合わせて配送料に係る適格請求書の記載事項を1枚の書類で交付するといった方法により対応する必要があります。
    なお、仕入明細書と適格請求書の記載事項は、それぞれ次のとおりです。
    1 仕入明細書の記載事項(新消令 49④)
    ① 仕入明細書の作成者の氏名又は名称
    ② 課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号
    ③ 課税仕入れを行った年月日
    ④ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
    ⑤ 税率ごとに合計した課税仕入れに係る支払対価の額及び適用税率
    ⑥ 税率ごとに区分した消費税額等 2 適格請求書の記載事項
    ㋑ 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
    ㋺ 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ㋩ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ㋥ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
    ㋭ 税率ごとに区分した消費税額等
    ㋬ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

  • 記載事項に誤りがある適格請求書の交付を受けた事業者が、その課税仕入れについて仕入税額控除の適用に係る請求書等の保存要件を満たすために必要となる対応について教えてください。

    買手である課税事業者は、交付を受けた適格請求書又は適格簡易請求書(電磁的記録により提供を受けた場合も含みます。)の記載事項に誤りがあったときは、売手である適格請求書発行事業者に対して修正した適格請求書又は適格簡易請求書の交付を求め、その交付を受けることにより、修正した適格請求書又は適格簡易請求書を保存する必要があります(自ら追記や修正を行うことはできません。)。
    なお、買手である課税事業者が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当しますので(新消法 30⑨二)、買手において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けた上で、その仕入明細書等を保存することもできます。
    売手である適格請求書発行事業者の対応は、《交付した適格請求書の記載事項に誤りがあった場合、何か対応が必要ですか。》を、仕入明細書等の記載事項については、《当店は、食料品及び日用雑貨の小売を行っています。軽減税率制度の実施後、仕入先への代金の支払に当たり、以下のような仕入明細書を作成し、仕入先の確認を受け、保存しています。 (以下省略)》をご参照ください。

  • 当社は、取引先数社と任意組合を組成し、イベントを行っています。現行、仕入先から交付される請求書等は、幹事会社が保管し、当社を含めた構成員は、幹事会社から精算書の交付を受けています。適格請求書等保存方式においては、構成員である当社も仕入先から適格請求書の交付を受け、保存する必要がありますか。

    適格請求書等保存方式の下では、適格請求書など請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります(新消法30⑦⑨)。
    任意組合の共同事業として課税仕入れを行った場合に、幹事会社が課税仕入れの名義人となっている等の事由により各構成員の持分に応じた適格請求書の交付を受けることができないときにおいて、幹事会社が仕入先から交付を受けた適格請求書のコピーに各構成員の出資金等の割合に応じた課税仕入れに係る対価の額の配分内容を記載したものは、貴社及びその他の構成員における仕入税額控除のために保存が必要な請求書等に該当するものとして取り扱われますので、その保存をもって、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすことになります。
    また、任意組合の構成員に交付する適格請求書のコピーが大量となる等の事情により、立替払を行った幹事会社が、コピーを交付することが困難なときは、幹事会社が仕入先から交付を受けた適格請求書を保存し、精算書を交付することにより、貴社は幹事会社が作成した(立替えを受けた構成員の負担額が記載されている)精算書の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます(インボイス通達4-2)。
    この場合、幹事会社は、精算書に記載されている仕入れ(経費)について、仕入税額控除が可能なものか(すなわち、適格請求書発行事業者からの仕入れか、適格請求書発行事業者以外の者からの仕入れか)を明らかにし、また、適用税率ごとに区分するなど、各構成員が仕入税額控除を受けるに当たっての必要な事項を記載しておく必要があります。
    なお、仕入税額控除の要件として保存が必要な帳簿には、課税仕入れの相手方の氏名又は名称の記載が必要となりますし、適格請求書のコピーにより、その仕入れ(経費)が適格請求書発行事業者から受けたものか否かを確認できなくなるため、幹事会社と構成員の間で、課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号を確認できるようにしておく必要があります。
    ただし、これらの事項について、別途、書面等で通知する場合のほか、継続的な取引に係る契約書等で、別途明らかにされている等の場合には、精算書において明らかにしていなくても差し支えありません。

  • 当社は、取引先のB社に経費を立て替えてもらう場合があります。この場合、経費の支払先であるC社から交付される適格請求書には立替払をしたB社の名称が記載されますが、B社からこの適格請求書を受領し、保存しておけば、仕入税額控除のための請求書等の保存要件を満たすこととなりますか。

    貴社が、C社から立替払をしたB社宛に交付された適格請求書をB社からそのまま受領したとしても、これをもって、C社から貴社に交付された適格請求書とすることはできません。
    ご質問の場合において、立替払を行ったB社から、立替金精算書等の交付を受ける等により、経費の支払先であるC社から行った課税仕入れが貴社のものであることが明らかにされている場合には、その適格請求書及び立替金精算書等の書類の保存をもって、貴社は、C社からの課税仕入れに係る請求書等の保存要件を満たすこととなります(インボイス通達4-2)。
    なお、この場合、立替払を行うB社が適格請求書発行事業者以外の事業者であっても、C社が適格請求書発行事業者であれば、仕入税額控除を行うことができます。

    (参考) A社を含む複数者分の経費を一括してB社が立替払している場合、原則として、B社はC社から受領した適格請求書をコピーし、経費の支払先であるC社から行った課税仕入れがA社及び各社のものであることを明らかにするために、B社が作成した精算書を添える等し、A社を含む立替えを受けた者に交付する必要があります。
    しかしながら、立替えを受けた者に交付する適格請求書のコピーが大量となる等の事情により、立替払を行ったB社が、コピーを交付することが困難なときは、B社がC社から交付を受けた適格請求書を保存し、立替金精算書を交付することにより、A社はB社が作成した(立替えを受けた者の負担額が記載されている)立替金精算書の保存をもって、仕入税額控除を行うことができます。

  • 当社は、事務所を賃借しており、口座振替により家賃を支払っています。不動産賃貸契約書は作成していますが、請求書や領収書の交付は受けておらず、家賃の支払の記録としては、銀行の通帳に口座振替の記録が残るだけです。このような契約書の締結後に口座振替等により代金を支払い、請求書や領収書の交付を受けない取引の場合、請求書等の保存要件を満たすためにはどうすればよいですか。

    通常、契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が交付されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、原則として、適格請求書の保存が必要です。
    この点、適格請求書は、一定期間の取引をまとめて交付することもできますので、相手方(貸主)から一定期間の賃借料についての適格請求書の交付を受け、それを保存することによる対応も可能です。
    なお、適格請求書として必要な記載事項は、一の書類だけで全てが記載されている必要はなく、複数の書類で記載事項を満たせば、それらの書類全体で適格請求書の記載事項を満たすことになりますので、契約書に適格請求書として必要な記載事項の一部が記載されており、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類とともに保存しておけば、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
    ご質問の場合には、適格請求書の記載事項の一部(例えば、課税資産の譲渡等の年月日以外の事項)が記載された契約書とともに通帳(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)を併せて保存することにより、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
    また、口座振込により家賃を支払う場合も、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、請求書等の保存があるものとして、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
    なお、このように取引の都度、請求書等が交付されない取引について、取引の中途で取引の相手方(貸主)が適格請求書発行事業者でなくなる場合も想定され、その旨の連絡がない場合には貴社(借主)はその事実を把握することは困難となります(適格請求書発行事業者以外の者に支払う取引対価の額については、原則として、仕入税額控除を行うことはできません。)。
    そのため、必要に応じ、国税庁のホームページ「適格請求書発行事業者公表サイト」(令和3年10月運用開始予定)で相手方が適格請求書発行事業者か否かを確認してください。
    (参考) 令和5年9月 30 日以前からの契約について
    令和5年9月30日以前からの契約について、契約書に登録番号等の適格請求書として必要な事項の記載が不足している場合には、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えありません。

  • 当社では、水道光熱費など検針等に一定期間を要し、課税仕入れを行った課税期間の末日までに支払対価の額が確定しない課税仕入れについては、対価の額を見積もることにより仕入税額控除を行っています。適格請求書等保存方式の下においては、このような見積額による仕入税額控除の取扱いはどのようになりますか。

    ご質問のように、課税期間の末日までにその支払対価の額が確定せず、見積額で仕入税額控除を行う場合の取扱いについては、以下のとおりとなります。
    なお、以下①②のいずれの場合も、その後確定した対価の額が見積額と異なるときは、その差額を、その確定した日の属する課税期間における課税仕入れに係る支払対価の額に加算し、又は当該課税仕入れに係る支払対価の額から控除することとなります。
    ① 見積額が記載された適格請求書の交付を受ける場合
    取引の相手方から見積額が記載された適格請求書の交付を受ける場合、これを保存することで見積額による仕入税額控除が認められます(注)1。
    その後、確定額が見積額と異なる場合には、確定額が記載された適格請求書(対価の額を修正した適格請求書)の交付を受けた上で、これを保存する必要があります。
    ② 見積額が記載された適格請求書の交付を受けられない場合
    見積額が記載された適格請求書の交付を受けられない場合であっても、電気・ガス・水道水の供給のような適格請求書発行事業者から継続して行われる取引(注)2については、見積額が記載された適格請求書や仕入明細書の保存がなくとも、その後、金額が確定したときに交付される適格請求書を保存することを条件として、課税仕入れを行う事業者が課税期間の末日の現況により適正に見積もった金額で、仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。
    (注)1 見積額を記載した仕入明細書を自ら作成し、相手方の確認を受けた場合は、これを保存することで見積額による仕入税額控除が認められます。確定額が見積額と異なる場合の取扱いは、上記と同様です。
    2 このほか、例えば、機械等の保守点検、弁護士の顧問契約のように契約等に基づき継続的に課税資産の譲渡等が行われ、金額が確定した際に適格請求書の交付を受ける蓋然性の高い取引がこれに該当します。

  • 当社は、取引先から、適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録の提供を受けています。仕入税額控除の要件を満たすためには、電磁的記録をどのような方法で保存すればよいですか。

    相手方から適格請求書の交付に代えて、適格請求書に係る電磁的記録による提供を受けた場合、仕入税額控除の適用を受けるためには、その電磁的記録を保存する必要があります(新消法30⑦⑨二)。
    提供を受けた電磁的記録をそのまま保存しようとするときには、以下の措置を講じる必要があります(新消令50①、新消規15の5)。
    ① 次のイからニのいずれかの措置を行うこと
    イ タイムスタンプが付された適格請求書に係る電磁的記録を受領すること(受領した者がタイムスタンプを付す必要はありません。)(電帳規4①一)
    ロ 次に掲げる方法のいずれかにより、タイムスタンプを付すとともに、その電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと(電帳規4①二)
    ・ 適格請求書に係る電磁的記録の提供を受けた後、速やかにタイムスタンプを付すこと
    ・ 適格請求書に係る電磁的記録の提供からタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合において、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかにタイムスタンプを付すこと
    ハ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について、次のいずれかの要件を満たす電子計算機処理システムを使用して適格請求書に係る電磁的記録の受領及びその電磁的記録を保存すること(電帳規4①三)
    ・ 訂正又は削除を行った場合には、その事実及び内容を確認することができること
    ・ 訂正又は削除することができないこと
    ニ 適格請求書に係る電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと(電帳規4①四)
    ② 適格請求書に係る電磁的記録の保存等に併せて、システム概要書の備付けを行うこと(電帳規2②一、4①)
    ③ 適格請求書に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと(電帳規2②二、4①)
    ④ 適格請求書に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(電帳規2⑥六、4①)
    ※ 国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときはⅱ及びⅲの要件が不要となり、その判定期間に係る基準期間における売上高が1,000万円以下の事業者が国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは検索機能の全てが不要となります。
    ⅰ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索条件として設定できること
    ⅱ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること
    ⅲ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定できること
    他方、提供を受けた適格請求書に係る電磁的記録を紙に印刷して保存しようとするときは、整然とした形式及び明瞭な状態で出力する必要があります(新消規15の5②)。
    (参考) 電帳法上の保存方法等については、国税庁ホームページに掲載されている、「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法(Q&A)」を参考としてください。

  • 適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件ですが、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除の要件を満たすのは、どのような場合ですか。

    適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされます(新消法30⑦)。
    ただし、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消令49①、新消規15の4)。
    ① 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
    ② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)
    ③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
    ④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
    ⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
    ⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
    ⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
    ⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
    ⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

  • 取引先への移動に際し、券売機で乗車券を購入し、公共交通機関である鉄道を利用した場合に、仕入税額控除の要件として請求書等の保存は必要ですか。

    適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①一イ、70の9②一)。
    一方、3万円以上の公共交通機関を利用した場合には、その利用に係る適格請求書の保存が仕入税額控除の要件となりますので、ご留意ください。 ただし、この場合であっても、公共交通機関である鉄道事業者から適格簡易請求書の記載事
    項(取引年月日を除きます。)を記載した乗車券の交付を受け、その乗車券が回収される場合は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消令49①一ロ)。
    なお、この場合の帳簿の記載事項については、《3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。》をご参照ください。
    (参考)
    ・ 適格請求書の交付義務が免除される取引:《適格請求書の交付が困難な取引として、交付義務が免除される取引にはどのようなものがありますか。》参照
    ・ 公共交通機関特例の3万円未満の判定単位:《3万円未満の公共交通機関による旅客の運送かどうかは、どのような単位で判定するのですか。》 参照

  • 当社は、中古車販売業(古物商)を営んでおり、事業者及び消費者から中古車の仕入れを行っています。適格請求書等保存方式の下では、消費者からの仕入れは、仕入税額控除を行うことはできないのですか。

    古物営業法上の許可を受けて古物営業を営む古物商が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する古物(古物商が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を買い受けた場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①一ハ⑴)。したがって、貴社が消費者から中古車の仕入れを行った場合には、一定の事項を記載した帳簿を保存することで、仕入税額控除が認められます。
    なお、相手方が適格請求書発行事業者である場合は、適格請求書の交付を受け、それを保存する必要があります。
    この場合の帳簿の記載事項については、《3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。》をご参照ください。
    また、古物商が適格請求書発行事業者以外の者から古物を買い取る場合のほか、適格請求書発行事業者以外の者から仕入れを行う、次の場合も同様に、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることが困難な場合として、一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消令49①一ハ⑵~⑷)。
    ① 質屋営業法に規定する質屋営業を営む質屋が、適格請求書発行事業者以外の者から質物(質屋が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を取得する場合
    ② 宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業者が、適格請求書発行事業者以外の者から同法に規定する建物(宅地建物取引業者が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を購入する場合
    ③ 再生資源卸売業その他不特定かつ多数の者から資源の有効な利用の促進に関する法律に規定する再生資源及び再生部品を購入する事業を営む事業者が、適格請求書発行事業者以外の者から再生資源及び再生部品(購入する事業者が事業として販売する棚卸資産に該当するものに限ります。)を購入する場合

    【参考】
    ○ 古物営業法第2条(定義)
    この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)
    若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
    2 この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。
    一 古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
    二 古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業
    三 古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)
    3 この法律において「古物商」とは、次条第一項の規定による許可を受けて前項第一号に掲げる営業を営む者をいう。
    4・5 (省略)
    ○ 質屋営業法第1条(定義)
    この法律において「質屋営業」とは、物品(有価証券を含む。第二十二条を除き、以下同じ。)を質に取り、流質期限までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業をいう。
    2 この法律において「質屋」とは、質屋営業を営む者で第二条第一項の規定による許可を受けたものをいう。
    ○ 宅地建物取引業法第2条(用語の定義)
    この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
    一 (省略)
    二 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。
    三 宅地建物取引業者 第三条第一項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。
    四 (省略)
    ○ 資源の有効な利用の促進に関する法律第2条(定義)
    この法律において「使用済物品等」とは、一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄された物品(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)をいう。
    2・3 (省略)
    4 この法律において「再生資源」とは、使用済物品等又は副産物のうち有用なものであって、原材料として利用することができるもの又はその可能性のあるものをいう。
    5 この法律において「再生部品」とは、使用済物品等のうち有用なものであって、部品その他製品の一部として利用することができるもの又はその可能性のあるものをいう。

  • 社員に支給する国内の出張旅費、宿泊費、日当等については、社員は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書の交付を受けることができませんが、仕入税額控除を行うことはできないのですか。

    社員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額に該当するものとして取り扱われます(基通11-2-1)。この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①一ニ、新消規15の4二、インボイス通達4-9)。
    なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる「その旅行に通常必要であると認められる部分」については、所得税法基本通達9-3に基づき判定しますので、所得税が非課税となる範囲内で、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められることになります。
    また、この場合の帳簿の記載事項については、《3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。》をご参照ください。

    【参考】
    ○ 所得税法基本通達9-3(非課税とされる旅費の範囲)
    法第9条第1項第4号の規定により非課税とされる金品は、同号に規定する旅行をした者に対して使用者等からその旅行に必要な運賃、宿泊料、移転料等の支出に充てるものとして
    支給される金品のうち、その旅行の目的、目的地、行路若しくは期間の長短、宿泊の要否、旅行者の職務内容及び地位等からみて、その旅行に通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するものとする。
    ⑴ その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
    ⑵ その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。

  • 社員に支給する通勤手当については、社員は適格請求書発行事業者ではないため、適格請求書の交付を受けることができませんが、仕入税額控除を行うことはできないのですか。

    従業員等で通勤する者に支給する通勤手当のうち、通勤に通常必要と認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額として取り扱われます(基通11-2-2)。この金額については、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①一ニ、新消規15の4三、インボイス通達4-10)。
    なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる「通勤者につき通常必要と認められる部分」については、通勤に通常必要と認められるものであればよく、所得税法施行令第20条の2において規定される非課税とされる通勤手当の金額を超えているかどうかは問いません。
    また、この場合の帳簿の記載事項については、《3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。》をご参照ください。

  • 令和5年 10 月1日から、仕入税額控除の方式は、「適格請求書等保存方式」となりますが、仕入税額控除の要件として保存が必要な帳簿の記載事項について教えてください。

    令和元年9月30日まで、仕入税額控除については、一定の帳簿及び請求書等の保存が要件とされていました(請求書等保存方式)。
    令和元年10月1日から令和5年9月30日(適格請求書等保存方式の導入前)までの間は、この仕入税額控除の要件について、請求書等保存方式を基本的に維持しつつ、軽減税率の適用対象となる商品の仕入れかそれ以外の仕入れかの区分を明確にするための記載事項を追加した帳簿及び請求書等の保存が要件とされています(区分記載請求書等保存方式)。
    具体的には、請求書等保存方式において必要とされている記載事項に、次の事項が追加されています(28年改正法附則34②)。
    1 帳簿
    課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合にはその旨
    2 区分記載請求書等
    ・ 課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合にはその旨
    ・ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
    令和5年10月1日から導入される適格請求書等保存方式の下でも、帳簿及び請求書等の保存が要件とされているところ、保存すべき帳簿の記載事項については次のとおりであり、区分記載請求書等保存方式の下での帳簿の記載事項と同様です(相手方の登録番号の記載は不要です。)。
    ① 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
    ② 課税仕入れを行った年月日
    ③ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
    ④ 課税仕入れに係る支払対価の額
    (参考) 取引先コード等による表示
    帳簿に記載する課税仕入れの相手方の氏名又は名称は、取引先コード等の記号・番号等による表示で差し支えありません。
    また、課税仕入れに係る資産又は役務の内容についても、商品コード等の記号・番号等による表示で差し支えありませんが、この場合、課税資産の譲渡等であるか、また、軽減対象資産の譲渡等に係るものであるときは、軽減対象資産の譲渡等に係るものであるかの判別が明らかとなるものである必要があります(インボイス通達4-5)。

  • 3万円未満の公共交通機関による旅客の運送などは、請求書等の保存が不要で、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を行うことができるそうですが、この場合の帳簿への記載事項について教えてください。

    請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、次の取引については、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます(新消法30⑦、新消令49①、新消規15の4)。
    ① 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
    ② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引
    ③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物の購入
    ④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物の取得
    ⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物の購入
    ⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源又は再生部品の購入
    ⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
    ⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストにより差し出されたものに限ります。)
    ⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)
    この場合、帳簿の記載事項に関し、通常必要な記載事項に加え、次の事項の記載が必要となります。
    ・ 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
    例:①に該当する場合、「3万円未満の鉄道料金」
    ②に該当する場合、「入場券等」
    ・ 仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除きます。)
    (注) 帳簿に仕入れの相手方の住所又は所在地の記載が不要な一定の者は、次のとおりです(インボイス通達4-7)。
    イ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関(船舶、バス又は鉄道)による旅客の運送について、その運送を行った者
    ロ 適格請求書の交付義務が免除される郵便役務の提供について、その郵便役務の提供を行った者
    ハ 課税仕入れに該当する出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)を支払った場合の当該出張旅費等を受領した使用人等
    ニ 上記③から⑥の課税仕入れ(③から⑤に係る課税仕入れについては、古物営業法、質屋営業法又は宅地建物取引業法により、業務に関する帳簿等へ相手方の氏名及び住所を記載することとされているもの以外のものに限り、⑥に係る課税仕入れについては、事業者以外の者から受けるものに限ります。)を行った場合の当該課税仕入れの相手方
    (参考) 古物営業を営む場合、古物営業法において、商品を仕入れた際の対価の総額が1万円以上(税込み)の場合には、帳簿(いわゆる「古物台帳」)に①取引年月日、②古物の品目及び数量、③古物の特徴、④相手方の住所、氏名、職業及び年齢、⑤相手方の確認方法を記載し、保存しなければならないこととされています(古物営業法16、18)。
    帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿の記載事項は、「①課税
    仕入れの相手方の氏名又は名称及び住所又は所在地」、「②課税仕入れを行った年月日」、「③課税仕入れに係る資産又は役務の内容」、「④課税仕入れに係る支払対価の額」、「⑤帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨」ですが、古物台帳には①から④の事項が記載されていることになります。
    なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合の帳簿の記載事項として
    は、⑤の事項も必要となるため、古物台帳と⑤の事項について記載した帳簿(総勘定元帳等)を合わせて保存することで、帳簿の保存要件を満たすことができます。
    この場合、古物台帳については帳簿の保存期間(課税期間の末日の翌日から2月
    を経過した日から7年間)保存しておく必要がある点にご留意ください(消令71②)。

  • 適格請求書等保存方式の導入後一定期間は、免税事業者からの仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があるそうですが、この場合の仕入税額控除の要件について教えてください。

    適格請求書等保存方式の下では、適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れについては、仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることができないことから、仕入税額控除を行うことができません(新消法30⑦)。
    ただし、適格請求書等保存方式導入から一定期間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れであっても、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています(28年改正法附則52、53)。
    経過措置を適用できる期間等は、次のとおりです。

    なお、この経過措置の適用を受けるためには、次の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が要件となります。
    1 帳簿
    区分記載請求書等保存方式の記載事項に加え、例えば、「80%控除対象」など、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載が必要となります。
    具体的には、次の事項となります。
    ① 課税仕入れの相手方の氏名又は名称
    ② 課税仕入れを行った年月日
    ③ 課税仕入れに係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)及び経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨
    ④ 課税仕入れに係る支払対価の額
    (参考1)③の「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」の記載については、個々の取引ごとに「80%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」などと記載する方法のほか、例えば、本経過措置の適用対象となる取引に、「※」や「☆」といった記号・番号等を表示し、かつ、これらの記号・番号等が「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」を別途「※(☆)は80%控除対象」などと表示する方法も認められます。
    2 請求書等
    区分記載請求書等と同様の記載事項が必要となります。
    具体的には、次の事項となります。 ① 書類の作成者の氏名又は名称
    ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
    ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
    ④ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
    ⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
    (参考2)適格請求書発行事業者以外の者から受領した請求書等の内容について、③かっこ書きの「資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨」及び④の「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額」の記載がない場合に限り、受領者が自ら請求書等に追記して保存することが認められます。

適格請求書等保存方式の下での税額計算

  • 適格請求書等保存方式における税額計算の方法について教えてください。

    軽減税率制度の実施後は、消費税率が軽減税率と標準税率の複数となることから、売上げと仕入れを税率ごとに区分して税額計算を行う必要がありますが、売上税額から仕入税額を控除するといった消費税額の計算方法は、適格請求書等保存方式においても現行と変わりません。
    具体的な売上税額と仕入税額の計算方法は、次のとおりとなります。
    1 売上税額(詳細については、《適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法について教えてください。》をご参照ください。)
    ⑴ 原則(割戻し計算)
    税率ごとに区分した課税期間中の課税資産の譲渡等の税込価額の合計額に、108分の100又は110分の100を掛けて税率ごとの課税標準額を算出し、それぞれの税率(6.24%又は7.8%)を掛けて売上税額を算出します(新消法45)。

    ⑵ 特例(積上げ計算)
    相手方に交付した適格請求書又は適格簡易請求書(以下これらを併せて「適格請求書等」といいます。)の写しを保存している場合(適格請求書等に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)には、これらの書類に記載した消費税額等の合計額に100分の78を掛けて算出した金額を売上税額とすることができます(新消法45⑤、新消令62①)。
    なお、売上税額を積上げ計算した場合、仕入税額も積上げ計算しなければなりません。

    2 仕入税額(詳細については、《適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法について教えてください。》及び《仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。》 をご参照ください。)
    ⑴ 原則(積上げ計算)
    相手方から交付を受けた適格請求書などの請求書等(提供を受けた電磁的記録を含みます。)に記載されている消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて仕入税額を算出します(新消法30①、新消令46①②)。

    ⑵ 特例(割戻し計算)
    税率ごとに区分した課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に、108分の6.24又は110分の7.8を掛けて算出した金額を仕入税額とすることができます(新消令46③)。
    なお、割戻し計算により仕入税額を計算できるのは、売上税額を割戻し計算している場合に限られます。

  • 適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法について教えてください。

    適格請求書等保存方式における売上税額については、原則として、課税期間中の課税資産の譲渡等の税込金額の合計額に110分の100(軽減税率の対象となる場合は108分の100)を掛けて計算した課税標準額に7.8%(軽減税率の対象となる場合は6.24%)を掛けて算出します(割戻し計算)。
    また、これ以外の方法として、交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものも含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることもできます(積上げ計算)(新消法45⑤、新消令62)。
    ただし、適格簡易請求書の記載事項は、「適用税率又は税率ごとに区分した消費税額等」であるため、「適用税率」のみを記載して交付する場合、税率ごとの消費税額等の記載がないため、積上げ計算を行うことはできません。
    なお、売上税額の計算は、取引先ごとに割戻し計算と積上げ計算を分けて適用するなど、併用することも認められますが、併用した場合であっても売上税額の計算につき積上げ計算を適用した場合に当たるため、仕入税額の計算方法に割戻し計算を適用することはできません(インボイス通達3-13)。

  • 当社はスーパーマーケットを経営しています。交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写しを保存している場合には、売上税額の積上げ計算をすることができるとのことですが、例えば、商品販売時に顧客に対して適格簡易請求書であるレシートを交付しようとしたところ、顧客がこれを受け取らなかった場合などは、交付がないとして売上税額の積上げ計算はできないのですか。

    適格請求書等保存方式における売上税額の計算方法については、原則の割戻し計算のほか、相手方に「交付」した適格請求書等の写しを保存している場合(適格請求書等に係る電磁的記録を保存している場合を含みます。)に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100 分の 78 を掛けて算出した金額を売上税額とする積上げ計算も認められています(新消法45⑤、新消令 62)。
    この点、ご質問のように、適格請求書等を交付しようとしたものの顧客が受け取らなかったため、物理的な「交付」ができなかったような場合や交付を求められたとき以外レシートを出力していない場合であっても、適格請求書発行事業者においては、当該適格請求書等の写しを保存しておけば、「交付した適格請求書等の写しの保存」があるものとして、売上税額の積上げ計算を行って差し支えありません。
    ※ 適格請求書等の写しの範囲については、《適格請求書発行事業者は、交付した適格請求書の写しの保存が義務付けられるとのことですが、「交付した適格請求書の写し」とは、交付した書類を複写したものでなければならないのですか。》をご参照ください。

  • 当社は、委託先に商品の販売を委託しており、毎月、販売に係る精算書を受領しています。その精算書には、適格請求書の記載事項が全て記載されているのですが、これを基に売上税額の積上げ計算をしてもいいのですか。

    売上税額の計算は、交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものも含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることができます(積上げ計算)(新消法45⑤、新消令62)。
    また、委託販売における受託者が媒介者交付特例を適用して適格請求書を交付する場合においては、
    ① 買手に交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を保存する
    ② 買手に交付した適格請求書の写し又は提供した電磁的記録を速やかに委託者に交付又は提供する
    こととされており、②について、例えば、複数の委託者の商品を販売した場合や、多数の購入者に対して日々適格請求書を交付する場合などで、コピーが大量になるなど、適格請求書の写しそのものを交付することが困難な場合には、適格請求書の写しと相互の関連が明確な、精算書等の書類等を交付することで差し支えないとされています(インボイス通達3-8)。
    したがって、ご質問のように、委託先から適格請求書の記載事項が全て記載されている精算書の交付を受けている場合は、その精算書を基に売上税額の積上げ計算をして差し支えありません。

  • 当社は、委託販売等に係る資産の譲渡等を行った場合の売上税額の計算について、資産の譲渡等の金額から、受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額としていますが、適格請求書等保存方式の導入後の取扱いについて教えてください。なお、当社が行う委託販売等は軽減税率の適用対象ではありません。

    委託販売等について、委託販売等に係る委託者においては、受託者が委託商品の譲渡等をしたことに伴い収受した又は収受すべき金額が委託者における資産の譲渡等の金額となりますが、軽減税率の適用対象とならない課税資産の譲渡等のみを行うことを委託している場合、その課税期間中に行った委託販売等の全てについて、その資産の譲渡等の金額から受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額とすることも認められています(基通10-1-12、軽減通達16)。
    適格請求書等保存方式の導入後、行った課税仕入れについて仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、受託者から交付を受けた適格請求書等の保存が必要となります。したがって、その資産の譲渡等の金額から受託者に支払う委託販売手数料(課税仕入れ)を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額とするためには、当該委託販売手数料に係る適格請求書等の保存が必要となります。

  • 当社は、委託販売等に係る資産の譲渡等について受託し、その手数料を受け取っており、売上税額の計算について、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額としていますが、適格請求書等保存方式の導入後の取扱いについて教えてください。なお、当社が委託された商品の販売は軽減税率の適用対象ではありません。

    委託販売等について、委託販売等に係る受託者においては、委託者から受ける委託販売手数料が役務の提供の対価となりますが、委託者から軽減税率の適用対象とならない課税資産の譲渡等のみを行うことを委託されている場合、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額とすることも認められています(基通10-1-12)。
    適格請求書保存方式の導入後においても、委託された商品の販売が軽減税率の適用対象でない場合には、引き続き、委託された商品の譲渡等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額とすることができます。
    この場合、委託者に支払う金額に係る課税仕入れに関し、適格請求書等の保存は不要です。

  • 当社は、3月決算の法人で、売上げの請求書については、毎月 20 日締めとしています。 3月 21 日から4月 20 日までの期間に係る適格請求書には、同期間に係る消費税額を記載しているのですが、これを基に売上税額について、積上げ計算することができますか。

    売上税額の計算については、交付した適格請求書及び適格簡易請求書の写し(電磁的記録により提供したものを含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることができます(積上げ計算)(新消法45⑤、新消令62)。
    ご質問のような適格請求書を交付した場合、翌課税期間(4月1日から4月20日まで)の消費税額も合計して記載されていることになるため、これを基に売上税額の積上げ計算をすることはできません。
    積上げ計算をする場合は、3月21日から3月31日まで及び4月1日から4月20日までに係る消費税額を区分して適格請求書に記載するなどの必要があります。
    なお、売上税額の計算は、割戻し計算と積上げ計算を併用することが認められています。したがって、ご質問のような場合に、当課税期間以外の期間の消費税額が含まれる期間(4月1日から4月20日まで(期首を含む請求書の期間)及び3月21日から3月31日まで(期末を含む請求書の期間))の取引については割戻し計算とし、それ以外の期間の取引については積上げ計算とすることも可能です。

  • 適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法について教えてください。

    適格請求書等保存方式における仕入税額の計算方法は、次のとおりです。
    1 積上げ計算
    原則として、交付された適格請求書などの請求書等に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて算出します(請求書等積上げ計算)(新消法30①、新消令46①)。
    また、これ以外の方法として、課税仕入れの都度(注)、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)を仮払消費税額等などとし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に100分の78を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)(新消令46②)。
    なお、仕入税額の計算に当たり、請求書等積上げ計算と帳簿積上げ計算を併用することも認められますが、これらの方法と割戻し計算(下記「2」参照)を併用することは認められません(インボイス通達4-3)。
    (注) 例えば、課税仕入れに係る適格請求書の交付を受けた際に、当該適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合のほか、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税仕入れにつきまとめて交付を受けた適格請求書を単位として帳簿に仮払消費税額等として計上している場合が含まれます(インボイス通達4-4)。
    2 割戻し計算
    課税期間中の課税仕入れに係る支払対価の額を税率ごとに合計した金額に110分の7.8(軽減税率の対象となる部分については108分の6.24)を掛けて算出することができます(新消法30①、新消令46③)。
    ただし、仕入税額を割戻し計算することができるのは、売上税額を割戻し計算する場合に限ります。

  • 仕入税額の計算について、適格請求書に記載のある消費税額等に基づいて積上げ計算する場合、消費税額等の記載がない適格簡易請求書の交付を受けたときは、どのように計算すればよいですか。

    適格請求書又は適格簡易請求書に記載された消費税額等を基礎として、仕入税額を積み上げて計算する場合には、次の区分に応じた金額を基として仕入税額を計算することとなります(新消令46①)。
    ① 交付を受けた適格請求書(電磁的記録により提供されたものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
    ② 交付を受けた適格簡易請求書(電磁的記録により提供されたものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
    (適格簡易請求書に適用税率のみの記載があり、消費税額等が記載されていない場合は、適格請求書に消費税額等を記載する際の計算方法と同様の方法により計算した金額のうち課税仕入れに係る部分の金額)
    ③ 作成した仕入明細書(電磁的記録により作成したものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
    ④ 卸売市場において、委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受けた書類(電磁的記録により提供されたものも含みます。)に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額
    ⑤ 公共交通機関特例など、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるものについては、課税仕入れに係る支払対価の額に 110 分の 10(軽減税率の対象となる場合は 108 分の8)を掛けて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切捨て又は四捨五入します。)
    したがって、ご質問の場合は、上記②の場合ですので、適格簡易請求書に記載された金額が、税込金額の場合は、その金額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を掛けて消費税額等を算出し、また、税抜金額の場合は、その金額に100分の10(軽減税率の対象となる場合は100分の8)を掛けて消費税額等を算出し、その金額を基礎として、仕入税額の積上げ計算を行います。

  • 当社は、3月決算の法人です。取引先から、3月 21 日から4月 20 日までの期間をまとめた消費税額が記載されている適格請求書の交付を受けたのですが、これを基に仕入税額について積上げ計算することができますか。

    仕入税額の積上げ計算については、交付された適格請求書などの請求書等に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合計額に100分の78を掛けて算出します(請求書等積上げ計算)(新消法30①、新消令46①)。
    ご質問のような適格請求書の交付を受けた場合、当課税期間(3月21日から3月31日まで)の消費税額等と翌課税期間(4月1日から4月20日まで)の消費税額等が合計して記載されていることになるため、これを基に仕入税額の請求書等積上げ計算をする場合は、当課税期間に係る消費税額と翌課税期間に係る消費税額について、それぞれの期間の取引に係る消費税額を算出し、それぞれの期間が含まれる課税期間においてそれぞれ積上げ計算をする必要があります。
    また、仕入税額の積上げ計算は、課税仕入れの都度、課税仕入れに係る支払対価の額に110分の10(軽減税率の対象となる場合は108分の8)を乗じて算出した金額(1円未満の端数が生じたときは、端数を切り捨て、又は四捨五入をします。)を仮払消費税額等などとし、帳簿に記載(計上)している場合は、その金額の合計額に100分の78を掛けて算出する方法も認められます(帳簿積上げ計算)(新消令46②)。
    このため、ご質問の適格請求書について、当課税期間に行った課税仕入れにつき、帳簿積上げ計算することもできます。
    (参考)仕入税額の計算に当たり、請求書等積上げ計算と帳簿積上げ計算を併用することも認められますが、これらの方法と割戻し計算を併用することは認められません(インボイス通達4-3)。

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