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BMクラウド

【日常清掃の人手不足を解決】Wakrak×BMクラウドが実現する 持続可能なマンション管理とは~後編~

Wakrakの代表取締役社長である谷口怜央さんと日常清掃の人手不足問題をテーマに、7つのポイントについてWakrakさんのビジョンやミッションも掘り下げながらお話をさせていただきました。

※Wakrak株式会社の清掃事業は2024年4月からIncome株式会社へ事業譲渡されました。

前編はこちらから

#004 AI時代の現場ワークの変容

近藤:

建物管理は従来は階層構造で、AMがあって、PMがあって、BM、BM二次受け、職人さん、というピラミッド構造になっていました。

このピラミッドの下で現場を支えている方たちへインターネットやAIの力を届けることによって、エンパワーメントしていく、仕事が楽になったり、待遇を良くしていくのが我々の役割の一つだと私は思っています。

谷口さんはどんなイメージをもっていますか?

谷口:

基本的にインターネットを活用して、ITを活用してっていうところは不動産業界は業界的に遅れていると思っていて。

いまやっと着手し始めたっていう感じだと思うんですけど、世の中的にはITを活用し効率化していくのはもう終わっていて、今後はAIがワーカーから仕事を奪っていくんだろうなと思っているんです。

産業全体、不動産にかぎらず、AIが人々から仕事を奪っていった結果、原価がすごく安くなっていくので、そこに産まれた富がどうワーカーに還元されていくのかが大事だと思っています。

人がやらなくてもいい状態に近づいていくことが、最終的にワーカーに恩恵を与えるんじゃないかと思っているんですよね。

近藤:

いわゆるインターネットAI時代にワークがどう変わっていくかっていうところで、先日日経新聞の「テクノ新世」~AIと人類の未来 知の巨人たちは何を語るの特集でAI&WORK研究の第一人者、オックスフォード大学 インターネット研究所カール・フレイ准教授が次のように語った点が印象に残っています。

AI導入に伴う労働市場の変化を理解するには、この技術が実際にどう働くかを詳しく見る必要がある。これまで中流層が引き受けていた肉体労働の多くをロボットが肩代わりするようになったら、平凡な労働者は不要になるというのがここ数十年の通説だった。だが生成人工知能(AI)の出現によりこの通説は覆され、平均的な労働者に復活の可能性が出てきた。むしろ取り残されていた労働者に機会を与え、成長産業へのアクセスを平等化する効果が期待できることを示した。
「テクノ新世」~AIと人類の未来 知の巨人たちは何を語るより抜粋   

つまり、AI時代にいわゆる従来のホワイトカラーの仕事の多くは消滅の可能性があるのですが、日常清掃の担い手などの現場ワークはむしろAIによってエンパワーメントされ、インターネットの恩恵から取り残されていた労働者が復権する可能性を示唆しています。

カール・フレイ教授の著作「テクノロジーの世界経済史 」は歴史を産業革命以前に遡り、未来の労働がどう変容するか、俯瞰的に捉えており、私たちがBMクラウドのAI開発を進めていく中でも大いに参考にしています。

                   

つまり、大きい視点で見ると谷口さんがおっしゃったようにデジタル化が進んでいく中でワークの在り方が変容したり、従来のホワイトカラーが大きな影響を受けたりしていく。こういった大きな流れの中で、新しいワークのスタイルが徐々に模索されながら見えてきて、その中で現場ワークの必要性、エッセンシャルワークとして残る部分は残るんじゃないかと思っているんです。

そこは非常に大事なポイントだと思っていますし、従来、建物管理に関わるワーカーさんは中々評価されず、待遇もいいとはいえない状況でしたが、そこが改善される仕組みを提供できたらな、と考えているところです。

谷口:

そこは僕はちょっと違う視点なのかもしれないんですけど、僕は労働と仕事は違うと思っているんです。

やりたくないけどやらざるを得ないものが労働で、やりたくてやってるのは仕事って認識して、労働は人々から奪うべきと思っているんですね。

できる限り、労働的に仕事をしている人たちからは労働を奪っていくが、その人達の生活は担保される状態っていうのが自己実現に近づいていくんだろうなと思っているので、いかに人から労働を奪うかと考えていて。

だから、労働を残すのが正かというと、そうでもない気がしているというのが僕の考え方ですね。

当然そうなると格差が広がるので、そこを何で埋めるのか、税による分配するのか、違う仕組みなのかっていうのは別途必要だとは思うんですけど、やりたくないのにやっている人達を助け続けるのは今は必要だけど、将来的にそれでいいのかって思っていますね。

近藤:

なるほど、俯瞰的かつ深い視点ですね。

Wakrakという事業が人材事業でもあるので、そこは常にそうした深い視点を持って事業にも取り組まれているんですね。

谷口:

事業としてお金を儲けたくてやっているわけではなくて、実現したい世界にするために、何が必要なのかっていうのを常に考えています。

その過程の中で、もともとはプラットフォームとしてやっていたんですが、そこではないなと気がついたので、今はコンテンツを作る側に回っているという感じで、カメレオン型にそこは変わっていってますね。

#005 人手不足、シルバー日勤管理の課題

近藤:

ビル清掃、アパート清掃、客室清掃もふくめて、この業界は現在50万人のシルバーさんに依存してる 状況です。

ところが、超高齢化社会と言われていますが、今後10年スパンで考えると人口減少に伴って、シルバーさんの数も減っていくんですよね。

それでも建物はなぜか増えている。人口が減っても世帯の単位が小さくなっているので、世帯数は増えているんです。

建物は増えていく中で、現場の清掃の担い手は減っている。

この状況をどうやって解決すべきなのか。

また、もう一つの課題として私が常々考えていたのが、シルバーさんの技量不足です。

脚立に上って高所での管球交換をシルバーさんに依頼することはできないんです。安全管理上非常に問題がある。

この2つの課題を解決するために、例えば現役世代のバイク巡回の清掃は他社もとりくんでいましたが、それでは早朝のゴミ出しには対応しきれていなかったんです。

それに対してWakrakさんの登録者は早朝や深夜に短時間働きたいという潜在ニーズが高いということで、そこをうまくマッチングしていけば従来シルバーさんに依存していた現場をバイク部隊と組み合わせながら人で不足問題を解決していくという視点を我々も持っています。

色々な構造変化に対して、どうやって持続可能なマンション管理、建物管理をしていけるのか、昭和のマンション管理モデルは瓦解しているので、この社会課題を大胆な発想で解決していけたらなと考えています。

谷口さんの視点で、人手不足社会課題っていう観点でWakrakさんの役割はどうとらえていらっしゃいますか。

谷口:

僕らは人材の経験と知見はありますが、マンションの管理、不動産管理にはまだまだ知見がないので勉強中なんです。

少し前にパーソルさんが人手不足を解決するには、女性が働く、シニアが働く、外国人を海外から呼ぶ、生産性をあげる等あげていたのをみました。

それはマクロで見たらそうなんだけどミクロで見ると、この業務はこの人が、あの業務はあの人が、と業務を切り出してできる人材に任せていくこともできます。

その一つが、早朝のゴミ出しは明らかに人手が足りないがその後の清掃は足りているという建物管理業界の現状です。

この辺りのアンマッチ具合っていうのはそれぞれの業界でもあると思うので、ノウハウ化できるんじゃないかと思っています。

上流から考え方を抜本的に変えていって一人の管理人さんがすべてをやらなくていいんだよ、っていうところから人手不足解消に繋がっていくんじゃないかと思っていますね。

#006 アプリでマンション管理の時代

近藤:

もう一点、重要なポイントの「アプリでマンション管理の時代」についてお話ししたいと思います。

皆さんの日常生活の中で、オンラインバンキングやオンライン証券がもう一般化していると思うのですが、不動産もこれからオンラインで管理していくような時代が訪れるんじゃないかと思っています。

例えば、従来のマンション管理の現場は、一言でいうと「アナログの塊」なんですよ。

マンション管理のフロント業務は現場に行かないと今どういった業務が進捗し、または進捗していないかがわからないんです。

でも、遠隔地の物件があったりすると、移動コストもかかります。

日常清掃、管理人の業務、不用品の処分手配、設備点検・修繕の業者手配、進捗管理、さらに入居者からのクレーム管理等々、これらを全てデジタル化し、アウトソースできる部分はアウトソースする。

そうすれば、フロントスタッフの雑務や心理的ストレスも軽減されて、人手不足の解消にもつながってきます。

今、マンションの会計管理の面では徐々にデジタル化が進んでいる状況で、ここに現場のデジタル化が合わせて進んでいくとその先にマンション管理のデジタル化が見えてくるんじゃないかなと思います。

最終的には、スマホでマンションのダッシュボードが確認できて、今どこの物件で何が起こっているか、何をしなければいけないのか、ぱっとわかる。

「アプリでマンション管理の時代」がくると思っています。

#007 Wakrak×BMクラウドがめざすもの

近藤:

Wakrak×BMクラウドでは、社会課題としての人手不足問題を新しい視点で解決していきたいと考えています。

一人の方がなんでもやる従来の方法から視点を変えて、担い手を色んな視点から考えると、たくさんいるんじゃないか、と。

かといってゴミ出しはシルバーさん、清掃はA社、点検はB社、、とあんまり分離発注だとお客様も大変です。

そこをBMクラウドを使うことで一元的にやりとりできる、そういった価値提供ができるんじゃないかと思います。

バイク部隊、若者、設備のプロをBMのクラウドを通して統合的にサービス提供できればお客様も安心で、かつ一元的にサービスが提供できる。

報告書がアプリですぐ来る、予実管理がアプリでできる、24時間駆付けにアプリで連動してサービスを繋いでいく、こういったものを提供していきたいですね。

今まで私も他の人材業者さんとも色々お話したことがありますが、Wakrakさんは単に「人がいるよ、安いよ」ではなくて、谷口さんは目指しているものが本質的に異なっているとお話していて強く感じます。

今後互いにミッション・ビジョンを共有していきながらよりよいサービスを提供する形で協業していきたいですね。

谷口:

よろしくお願いいたします。

Wakrak×BMクラウド<サービス対象物件・エリア>

対象物件:

 分譲マンション 30戸未満

 賃貸マンション 50戸未満

 ※管理人非常駐タイプの物件が対象となります

営業エリア:

都心11区 【千代田区、中央区、渋谷区、港区、新宿区、目黒区、品川区、豊島区、台東区、文京区、中野区】

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