株式会社バスシステム研究所 代表取締役 日吉孝夫様に聞く
聞き手:アセットコミュニケーションズ 草間
目次
◆ 1.なぜ今「浴室リフォーム=再生」が注目されるのか?
草間:
従来、浴室リフォームといえば「交換する」ことが主流でしたが、いま“壊さずに再生する”技術が注目されています。
まずは御社の歩みから教えていただけますでしょうか。
日吉様:
弊社は今年で設立26年目になります。大阪で創業し、社員約80名・協力会社約50社、職人約160名の体制で全国対応しています。
2017年には東京・大田区に拠点を設け、現在は関東支店として事業を行っております。
名古屋にも2年前に拠点を作り、東名阪の主要三大都市圏をカバーできる体制になりました。
◆ 2. 事業の原点
―「壊さずに綺麗にできる」という驚きから始まった
草間:
続きまして、ストーリービジョンについて伺います。バスリフォームを専門として始めたきっかけや、事業を通じて大切にしている価値観について教えてください。
日吉様:
このビジネスを始めたきっかけは、会社設立直後に知り合いの会社から「浴室塗装の施工マニュアルを作ってほしい」と依頼を受けたことでした。
職人が塗装で浴室を見違えるように仕上げる姿を見て、「お風呂は交換しなくても直せる」という大きな可能性を感じました。
その会社は不動産会社の傘下だったのですが、倒産に伴い浴室塗装部門の業務が止まり、私がその事業を引き継ぐ形になりました。
これが今の事業の原点です。2004年から本格的に浴室塗装事業を自社でスタートさせました。
その後、不動産会社や建設会社とのつながりが増え、取引が広がっていきました。
◆ 3. 事業を通じて実現したいこと
― 高額な入替ではなく、“必要な部分だけ直して長く使う”
日吉様:
まず感じたのは「コストパフォーマンスが非常に高い工事である」ということです。
一般に浴室リフォームは100万円単位ですが、弊社の技術であれば10万〜20万円で大きく改善できます。
車で言えば「新車を買うのではなく、中古車を整備して長く使う」イメージです。
環境配慮の観点からも、壊さず長く使う価値が高まり、廃材削減にもつながります。
現在では、ハウスメーカーや住宅設備商社上位20社とも取引があり、ユニットバスメーカーからも弊社の技術が評価されています。
「入替ではなく再生する」という流れが時代背景とも合致してきたと感じます。
◆ 4. サービス範囲・技術的強み・施工対応領域
草間:
次に、サービスの範囲や実績について伺えますでしょうか。
日吉様:
対応範囲は以下の通りです。
● ユニットバス(工場製浴室)
● 在来浴室(タイル・コンクリート)
● 大浴場、旅館の客室風呂
弊社には20年以上の施工ノウハウがあり、基本全ての施工に2年保証を付けています。
20年前の施工物件も現役で使われているほど耐久性があります。
最も重要なのは「下地補修技術」です。
浴室塗装工程の6〜7割は下地補修が占め、ここが仕上がりを左右します。
塗装そのものは工程の1〜2割。
下地技術が完成して初めて、長期品質を担保できます。
◆ 5.他社との違い
―「賃貸マンションの個別対応」ができる稀有な存在
草間:
他社のバスコーティング業者との違いを教えてください。
日吉様:
材料や道具だけで言えば他社でも入手できます。本質的な違いは「体制」と「対応力」です。
浴室再生業者は全国にありますが、ほとんどがホテル案件が中心で「個別性の高い賃貸現場」に対応できる会社は限られます。
理由は以下の通りです。
● 職人数が少なく対応力がない
● 営業窓口や調整機能が弱い
● 個別現場ごとの判断・技術が必要
対して弊社は、
● 技術職人100名規模
● 営業・施工管理・品質管理を内製化
● 50社以上の協力会社ネットワーク
賃貸マンションの個別現場に対応できる会社は全国でもほぼ弊社のみです。
◆ 6. 施工メニューの詳細
① ヌリフォーム(吹付塗装による浴室再生)
浴槽・壁・天井を専用塗料で“新品のように”仕上げる工法です

草間:
ヌリフォームは、穴あき・割れなど重度劣化のある浴槽にも対応できると伺いました。
日吉様:
創業時は「穴あき」「全面ひび割れ」などの重症案件ばかりでした。
どんな状態でも直せる体制を作ってきました。
● 下地補修が6〜7割
● 素材ごとの劣化特性を理解
● 何があっても直す精神と技術
これらにより「基本的に直せない浴室はない」と言えるレベルになりました。
こんな状態に効果的:
● 変色・汚れが取れない
● 穴あき・ひび割れ
● 浴槽がくすんで見える
● 全体的に古臭い印象を変えたい
特長:
● 仕上がりの美しさが高い(新品級)
● 破損した浴槽の補修も可能
● 下地処理と組み合わせることで高耐久
● 20年前の施工がいまだ現役
② パネリフォーム(厚みのあるパネルで空間を刷新)
特別な3mm前後のパネルを接着し、タイル壁などの凹凸を美しく覆う工法です。

日吉様:
パネル・シートはホテル業界でも古くから使われている工法で、一般の方が見ても「貼った・塗った」が分からないレベルに仕上がります。
●柄は数千種類
●抗菌・防カビ仕様
下地状況に応じて「シート」か「パネル」を選択しますが、見た目はほぼ同品質です。
メリット:
● タイル壁でも対応できる
● ホテルのような仕上がり
● 断熱性・防カビ性も向上
● デザイン選択肢が非常に豊富
適したケース:
● タイルが剥がれている
● 壁の劣化がひどい
● デザインを大きく変えたい
③ ハリフォーム(浴室専用シートでの仕上げ)
パネルより薄くしなやかなシートを貼る工法で、下地が比較的良い状態の浴室に向いています。

日吉様:
弊社は自社でインクジェット印刷によるオリジナル柄のシートも作成しています。
富士山柄やペット写真なども印刷可能です。短工期で仕上がるため、賃貸の繁忙期でも次の募集までの期間を短縮できます。
メリット:
● 工期が短い
● コストを抑えやすい
● オリジナル柄の作成が可能
適したケース:
● 下地がフラットな在来浴室
● ユニットバス
● 築浅だが雰囲気を変えたい場合
◆ 7.床材開発(東リとの共同開発)
草間:
厚みのある浴室用床材を上張りする施工も人気と伺っています。
日吉様:
浴室用床材は約12年前、東リと共同開発したのが業界初です。
現在では他メーカーも後発で参入するほどスタンダードになっています。
もともとは廊下用シートを浴室に応用したのが始まりで、ニーズを受けて正式開発につながりました。
◆ 8. ドア単体交換(フレーム工法)
草間:
ユニットバスのドアが壊れた場合、メーカーでは全部入替になるケースが多いと聞きます。
日吉様:
15年前から始めたサービスで、当時はドア単体の交換は業界に存在しませんでした。
UR団地での施工をきっかけに、サッシ会社と共同で「どんな浴室でもドアだけ交換できる技術」を確立しました。
その後、メーカー公式カタログに掲載されるきっかけにもなりました。
◆ 9. 賃貸市場の変化と、浴室再生が必要とされる理由
日吉様:
浴室は実は30〜40年使えるものです。
家賃4〜6万円の物件に100万円の入替は採算が合いません。
ユニットバスメーカーも「リフォーム市場では入替は売れない」と認識し始めています。
撤退メーカーが増えているのもその証拠です。
現在の流れは、
● 入替 → ほぼ需要なし
● 塗装・パネル・床・ドア交換 → 主流へ移行
これからの賃貸市場では、入替ではなく“再生”がスタンダードになると考えています。
◆ 10. 管理会社・オーナー様へのメッセージ
日吉様:
我々の技術は、まだまだ知られていないところもあります。もっと知っていただき、ぜひ活用してほしいです。
● コストは大幅に下がる
● 工期は短い(入居付けが早い)
● 入替と遜色ない仕上がり
● 入居率アップの実績データも多数
賃貸市場では今後ますます「壊さず再生」が主流になります。
ぜひ弊社の技術をご活用いただければ幸いです。
編集後記(草間)
今回のインタビューを通じて、
「浴室は交換より、再生させる時代がきている」という事実に改めて気づかされました。
費用・工期・環境負荷・入居付け -賃貸経営のあらゆる課題に対して、再生工法は最適解となり得る技術です。
特に賃貸管理では“どれだけ早く次の入居者に貸せるか”が重要です。
壊さずに、短期間で、見た目を新品に変える技術は、これからの賃貸市場にとって不可欠なパートナーになるはずです。