【第5回】近未来⑤「建物管理業務の転換(2):withBMクラウド 社会的リソースシフト策へ」
弊社の建物管理(一般清掃、特別清掃、設備点検等)を
受託していない物件に関してもBMクラウド利用を解放します。
従来は建物管理サービス受託とBMクラウドは一括パッケージでしたが、
BMクラウドのみの単体利用をライセンス許諾します。
提言:社会課題を解決しつつ、新たな建物管理サービスモデル創出を
近未来シリーズですが、第3回と第4回を飛ばして、
先に第5回の「建物管理業務の転換(2):withBMクラウド 社会的リソースシフト策へ」を掲載します。
この連載を書いている経過中もリアルタイムで、以下のような声が届いています。
「シルバーさんの現場が難しくなったので見積が欲しい」
「スタッフ不足からマンション管理のごみ出し対応が困難になったので、巡回出来ないか」
多くのシルバースタッフを抱えるビルメンテナンス大手からは
「要員手当が出来るかどうか」
こうした課題は、短期的なスタッフ確保で解決する問題ではなく、より根の深い、本質的な業界共通課題です。
この中長期に渡る社会課題に対して、弊社は「新たな建物管理サービスモデル創出」を提言したいと考えています。
以下にコロナショックにより想定される社会構造の変化。そこから示唆される課題群について整理しました。
労働力に制約が出てくる中で、建物管理(マンション管理)をどのように持続的に提供できるか?
その解決方向性として、新たな建物管理サービスモデル創出を目指していきます。
Extraordinary Times Call For Extraordinary Measures
新たな建物管理サービスモデル創出にあたっては
「転換の視座」=「社会的リソースシフト」が必要と考えます。
社会的にリソースシフトとは、
「困った現場」と「困った人」を大胆な発想でマッチングさせるということです。
「困った現場」:業務遂行困難なマンション管理現場 シルバーさんが70万人
「困った人」:サービス業等の現役世代(20-40代)(就業人口6,700万)の失業率1.3%相当だとすると就労人口87万人
この「困った現場」と「困った人」をマッチングさせるNEWモデルが以下のイメージになります。
Amazonモデルを参考に「現役世代 巡回管理」
マンション管理AmazonFlex版
この発想にはヒントがあります。
実はこのコロナショック以降、世界で最も雇用創出している民間企業はAmazonです。
Amazonは3月16日に新型コロナで米国内のみで10万人の追加雇用を発表。さらに4月14日に追加で7.5万人の雇用策を発表しています。
世界中で雇用不安、一時帰休、失業が高まっている中、米国のみで17.5万人の雇用創出をしているわけです。世界中ですが数十万人に及ぶのではないでしょうか?
その多くは配送センターで配送に関わる雇用になります。
なぜここまで急激に雇用創出できるのか。
ここでヒントになるのが昨年からAmazonが始めたAmazon Flexです。
AmazonFlexは、スマートフォンと貨物軽車を持つ個人事業主が、アプリで自身のスケジュールに合った時間を選択して、アマゾンの荷物を運ぶものです。
時間は2時間からでOK。
隙間時間に個人事業主がアマゾンの配送ができるわけです。
ドライバーがより働きやすい、自由度の高い働き方を、ブロック単位で、自分が稼動できる時間を登録する仕組みです。
この仕組みをマンション管理、建物管理に応用できないか?
元気な現役世代が毎日複数棟を巡回。
建物はシルバーさんによる簡易清掃ではなく、きちんとした研修に基づくプロの清掃を行う。
アプリからGPS連動し、移動開始/作業開始/作業完了をリアルタイム確認。
清掃や簡易点検等の業務内容は写真付きでオーナー、管理会社に即時報告。
勤怠管理、予実管理、要望管理、クレーム管理なども全てアプリ上で完結する。
これで、効率的に、生産性を高めた建物管理が可能になります。
業界慣習、既存業務仕様、業務モデル転換など困難な点も多いかと思います。
しかしながら「社会的リソースシフト」策として、Amazonの17.5万人には及びませんが、業界として「困った現場」と「困った人」を従来にない大胆な発想でマッチングさせ、1万人の雇用創出・就業機会提供を行うことが出来れば大きな社会貢献になるのではないかと考えます。
BMクラウドのオープン化
withBMクラウド 社会的リソースシフト策へ
弊社では自社開発・運用するクラウドサービス「BMクラウド」を活用し、約5,000棟の賃貸住宅を中心とした建物管理を行っております。この実績ノウハウとクラウドシステムをオープン化し、弊社の建物管理(一般清掃、特別清掃、設備点検等)を受託していない物件に関してもBMクラウド利用を解放します。
従来は建物管理サービス受託とBMクラウドは一括パッケージでしたが、そこを切り離し、BMクラウドのみの単体利用をライセンス許諾します。
不動産オーナー、管理会社、業界関係者の皆様におかれましては、本趣旨をご理解賜り、社会課題解決のため建設的なパートナーシップを構築してまいりたいと考えております。
では引き続き第3回・第4回の投稿もお楽しみに。
ご意見ご感想も、ぜひお待ちしております✉️market@teikijunkai.com
【第1回】 近未来①「シルバーさん依存の建物管理現場の瓦解」
【第2回】 近未来②「オーナー業務の転換(1):AssetApps 賃貸管理業務の徹底クラウド化」
【第3回】 近未来③「オーナー業務の転換(2):AssetApps チームチャット、リアルタイムUX」
【第4回】 近未来④「建物管理業務の転換(1):withBMクラウド 建物管理業務の徹底クラウド化」
【第5回】 近未来⑤「建物管理業務の転換(2):withBMクラウド 社会的リソースシフト策へ」