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【日常清掃の人手不足を解決】Wakrak×BMクラウドが実現する 持続可能なマンション管理とは~前編~

Wakrakの代表取締役社長である谷口怜央さんと日常清掃の人手不足問題をテーマに、7つのポイントについてWakrakさんのビジョンやミッションも掘り下げながらお話をさせていただきました。

※Wakrak株式会社の清掃事業は2024年4月からIncome株式会社へ事業譲渡されました。

Wakrak株式会社とは

Wakrak株式会社(以下Wakrak)は、「明日必ず仕事がある セーフティーネットをつくる」をミッションに、登録者50万人の「短期バイトアプリ」を運営する企業です。東京プライム上場企業の株式会社ワールドホールディングス(人材事業、不動産事業主軸)のグループ会社であり、同グループにはマンション管理会社:ワールドライフパートナーも名を連ねています。

https://www.wakrak.jp

#001 Wakrak事業ストーリー

近藤:

それでは、まず谷口さんがどんなきっかけでこの事業をはじめたのか、教えていただけますか?

谷口:

我々はもともと一日単位のアルバイトのマッチングサービスを運営していて、そのコンテンツ(業種)として、より多くの仕事を提供できないかと考えていました。

これまでにも3つ4つコンテンツがあったのですが、より多くの仕事を提供できるコンテンツを開発できないかと周囲の人たちとディスカッションしている中で、グループのマンション管理会社の社長と話す機会がありました。

その際マンション管理、特に早朝のゴミ出しに需要があるということがわかって、そこを開発したのがこの事業をはじめたきっかけです。

近藤:

アプリ「ワクラク」の登録者の内訳はどんな方が中心ですか?

谷口:

若い方がスマホで仕事を探すので、20〜30代の方が中心になっていますね。

近藤:

我々の業界においては、なかなか若い方が早朝の現場でゴミ出しをするというイメージがつかなかったのですが、意外とそこには若い方からのニーズがあるんでしょうか?

谷口:

実は、アプリの運営を6年やっている中で極端なことを言えば「ほとんどの登録者は仕事内容によって仕事を選んでいない」ということがわかったんです。

もちろん、人前に出る飲食業か、裏方の物流業などのおおまかな基準で選ぶことはありますが、そこまで仕事内容にはこだわらない方が多いんですよ。

それよりも「隙間時間にちょっとだけ働きたい」というニーズがあった。

例えば飲食はランチタイムを中心に5-6時間とか、物流も一日中など、長時間拘束される仕事が多いんです。

その中で短時間の案件が出ると、マッチングする登録者のニーズが非常に高かった。

そこで、早朝深夜の短時間の仕事を何か開拓できないかと考えて、先ほどの話につながるのですが、グループ会社とのディスカッションの中で、「早朝ゴミ出しの仕事」をコンテンツとして見出しました。

近藤:

私たちも一都三県で7,000棟の建物管理を行っておりますが、常に都心のマンション管理の人手不足問題を抱えています。

Wakrak様より協業のお声がけを頂いた際に、現場の超人手不足に対して大胆な発想による社会的リソースシフト策が不可欠であると認識し、協業による解決スキームに取り組んだという流れになります。

実際都心エリアのマンション管理で早速トライアルを実施しましたが、すぐに若いワーカーの方が決まったと聞き驚いているところです。

#002 セーフティーネットを目指して

Wakrak様ホームページより

近藤:

「明日必ず仕事があるセーフティーネットをつくる」というミッションは、どういう考えで掲げていらっしゃるのか、教えてもらえますか。

谷口:

セーフティーネットということばを使っていますが、僕からしたら第一ステップでしかないという思いがあって。

理想の世界を実現するために、最低限自分達がやらなきゃいけないこと、将来こうなりたいという姿から逆算しているんですね。

人々が見て見ぬふりをしないで生きていければ、必然的に世の中全体が平和になるだろうという考えが、軸として僕の中に強くあって。

じゃあどうしたらそういう状態に至るかって考えると、自分がやりたいことをやれていないと、周りを手助けをしたり、気遣ったりする余裕なんてないと思うんです。

じゃあ、自分が本当にやりたいことをやって、自己実現している状態になるためにどうしたらいいか、生活にリスクや不安を負っていたら自分が本当にやりたいことをやる=自己実現っていうのは難しいですよね。

もちろん、生活に不安やリスクを背負いながら自己実現される方もいらっしゃいますが、一般的には自己実現のためにはまず、生活の安定・保証が不可欠になってくると思います。

そういう意味で、「明日必ず仕事があるセーフティーネットをつくる」は、まず全ての人が自己実現をする前の第一ステップとして必要なことだという考えでミッションとして掲げています。

ここでいう「セーフティーネット」というのは、単に求職者と求人の需給バランスという意味ではくて。

「必要な人が、必要な時に、必要な仕事にアクセス出来て、しかもすぐに報酬を受け取ることができる」ここのセーフティーネットがまだまだ日本にはないなと思っていたので、アプリとして開発しました。

ここが整って、そこから進んでいって、「所得を上げる」「ステップアップする」=「自己実現」するためには・・・というところを今考えています。

近藤:

ありがとうございます。

セーフティーネットというものは、まず実現すべきもので、さらにその先にあるそれぞれの人にとっての自己実現というところを目指している、そういうことになるんでしょうか。

谷口:

そうですね。まず僕らが個人としても組織としてもやらなきゃいけないと思っているのがそのセーフティーネットというところですね。

近藤:

そういった谷口さんのビジョンを抱くにいたった経験の部分、すごく多様な経験をお持ちだと記事などで拝見したのですが、そのあたりをお聞かせいただけますか。

#003 路上スタイル

谷口:

中学の時に部活で怪我をして、一年半車いす生活を経験しました。

多感な時期に「車いすに乗っている自分」それに対して「自由に動けているまわり」と、自分だけが見て見ぬふりをされていると感じて、周りと接することを拒絶していました。

そんな時にキューバの革命家チェゲバラのドキュメンタリーを父親に見せてもらい衝撃を受けたんです。

アルゼンチン人の医者なのに、キューバの革命に参加して、革命を成功させてもなお、困っている人のことを見て見ぬふりをせず戦い続けたというエピソードに感銘を受けて、彼のような存在になりたいと強く思いました。

そこから自分に何ができるか、あがいていく中で、彼が行ったアフリカとか貧困の世界を変えたいと思い、アフリカに行って、日本に帰ってきて、日本でホームレスの人に何か支援できないかという活動をする中で、今のビジョンにつながっていったという感じですね。

僕の中では今やっているビジネスとアフリカに行ったことや、ホームレスとの活動は何も違わなくて、常に今自分に何ができるかということを考えているだけです。

近藤:

ビジネスも一つの手段、会社も一つの手段としてめざすべきビジョンをどうしたら実現できるのかを常に模索されているというイメージですね。

後編へ続く